SAITO
もってけドロボー!
斉藤由多加の「頭のなか」。

「大玉」出展報告 その1

前回お話ししたE3の展示を終え無事帰国しました。
このタイトル、名称を「大玉」といいます。
すべてが直前にきまった出展でしたので、
なにもかもがぶつけ本番、といった出展です。
「大玉」の表記が印刷物によって
OdamaとOhdamaの両方が混在するといった
混乱もありました。



そんな準備不足が演出と見られたのでしょうか、
海外のジャーナリズムでは、
「謎の」とか「不思議な」とか
「インパクト」とか「異質の」などといった
表現が目立ちます。
帰国してわかったことなのですが、
このきわめて日本的題材のゲームに対する
米国の反応が意外にも大きい。
三日前には、なんとこのE3の賞に
ノミネートされたという連絡までがはいった。
海外での受賞は何度か経験したのですけど、
参考展示作品でのノミネートなんてことは
前代未聞の経験です。
たいへんうれしいことですが
スタッフ一同びっくりしています。
興味のある方は
http://www.nintendo-inside.jp/news/139/13984.html
↑ここで大玉と検索してみてください。
それ以外にもgoogleでOdamaとか
OhdamaとNintendoなとでクロス検索すると、
英語やスペイン語で書かれたサイトがどっさり出てきます。



ゲームというのは
心理学に近い分野で実に興味深いものです。
ユーザーにルールや設定を
受け入れてもらう必要があるのですが、
そのレセプターが思わぬところにあったりするからです。

このへんてこりんなゲームを、
ゲラゲラ笑いながら延々とやっている
アメリカ人の表情をみていて
ひとつ発見したことがあります。
前回書いた「一生功成りて万骨枯る」という
極めて異質なボールゲームのコンセプトを
受け入れるレセプターが
アメリカ人にはすでにあったということです。
それは(たぶん)「アメフト」です。
これは意外な発見でした。
作品展示というのは(宣伝効果とは別に)、
予想外の情報を制作者にもたらしてくれるものです。

つづく

斉藤由多加さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「齋藤由多加さんへ」と書いて、
postman@1101.comに送ろう。

2004-06-06-SUN

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