もってけドロボー! 斉藤由多加の「頭のなか」。 |
キス病。 ご無沙汰しておりました。暑い日が続いております。 さて、読者の皆さんの中に、ここ2〜3ヶ月で 左の首を寝違えた人はいませんでしょうか? 多分けっこういらっしゃるのでは? だとしたらその寝違えは、 たぶん風邪のウィルスによる症状です。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ いまから15年くらい前に、僕は寝違えをしました。 運動をやっていない時に寝違えたのは初めてです。 職場でその話をすると隣の席の後輩も 「あ、偶然ですね、僕もついこないだ寝違えたんですよ」 なんていう。 「へぇー。そりゃ偶然だね」となったわけですが、 ふとした好奇心から部内で聞いて回ったら、 同じような寝違えを起こした社員が5、6人いた。 それでピンときたわけです。「こりゃウィルスだ」と。 今年も、15年ぶりに寝違えをしたわけですが、 「ははぁ、これは」と思って社員に聞いてみたら案の定、 チェーンのように寝違えた症状を自覚する社員が 数名名乗り出たという次第です。 以前にこんなニュースを読んだことがあります。 アメリカの田舎で珍しいウィルスが発見報告された。 このウィルスは唾液感染し、微熱とリンパ腺の腫れ、 そしてほほがすこし赤らむのが特徴だが 症状はそれ以上は悪化することもなく 時間とともに引いてゆく。 実はこの現象はこの地方では ずっと以前から知られていたそうです。 知られてはいたが、異性と接触しはじめる 思春期の若者に多いことから、 人々はただの成長期特有の現象だと思い込んでいた、 ということです。 感染症と判明した時点でこの地方特有の思春期症状は 「キス病」という名前とともに 見事病気の仲間入りをし知れ渡った、という訳です。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 以前に「現象」の反対語は 「本質」という話を書しましたが、 私たちが目にしている多くの現象 (生理的なものは症候群とよぶのでしょうか)には ほとんど名前がついていません。 名前のないものというのは存在しているようで 存在していない。誰かが名前をつけない限り ただの「状況」で終わってしまう。 セクハラという言葉がない時代には セクハラ行為が存在しなかったのと同じです。 実は、「ゲーム」などという重さも形もないものを 多数のメンバーでつくっていると、 なんとも文字で表現しにくいアイデアやら 不都合点やらがたくさん飛び交います。 長時間飛び交って議論されても そのままだと言葉の羅列として消え失せてしまいます。 これが「企画」という仕事における 相当なストレスになっておりまして、 議論を重ねても成果が積み重なっていかない。 ですから重要なものには いちいちへんてこりんな名称をつけるようにしています。 それによってメンバーの意識の中にしっかりと出現する。 ですから、私たちの企画会議では「命名の儀式」という、 よその人がみるとすこしおかしなイベントが ときどき行われます。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ そうそう、今月の19日から3日間、 麻布十番祭りが開催されます。 今年も「シーマン焼」は出店しますので どうぞいらしてください。 くわしくはこちらまで。 |
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2005-08-14-SUN
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