ほめ道を往く。
「ほめられて伸びる派」のためのページ。

今回のテーマは「お好み焼き」。
好物として挙げる人も多い
とてもポピュラーな食べ物ですが、
「お好み焼き」について人と話すとき、
そこではしばしば
「広島風が美味い」「いや、関西風だ」
という論争めいたやり取りが展開されます。

フランソワーズさんはどうでしょうか?
広島に住むからにはやはり「広島風」?
いいえいいえ。
「ほめ道」を往く彼女にとって、
そんなささいな主張はどうでもいいことなのです。



第二十二回
お好み焼きをほめる。
〜愛ある食卓を目指して〜

わたしは広島の女。
広島はいい!

なにせ、自慢は「広島出身アーチスト」が
とても多く、そして「かっこいい」!!

矢沢永吉さん、吉田拓郎さん、浜田省吾さん
奥田民生さん、ビッグアーチストだけでもこんなに!!

そんな「アーチスト」を生む一因として外せないのが
「お好み焼き」なのです!!

「お好み焼き」には「広島風」と「関西風」があります。
よく「どっちが本物」みたいなことをおっしゃる方が
いますが、そんなせこいことは言いませんよ。
「どっちもおいしいお好み焼きさ!!」

そういうわけで、関西から広島あたりじゃ、
「夕食にお好み焼き」なんてことはしょっちゅう。

忙しくて、夕食の用意ができない日も
キャベツと豚バラさえあれば、あとは
「何をいれたっていいんです!!」

「お好み焼き」その名前からもわかるように
「お好み」で「焼け」ばいいの。

こんな慈愛に満ちた「メニュー」他にある?
「あなたのお好きなものをどうぞ」ってことなのよ!

普通、メニューっていうのはお高くとまってて
「ビーフシチュー」にイカ天入れたりすると
きっと「ビーフシチュー」とは言えない
違う物になるでしょ?
譲らない頑固さがあるのよね〜。
もちろん、それはそれのよさがあるんだけど、
昨今の世界情勢から見ても、
今「お好み焼き」のような柔軟で寛容で包容力のある
メニューが求められてるのではないでしょうか!

イカ天、生イカ、えび、かき、もち、チーズ、
キムチ、納豆、とろろいも、などなど‥‥。
はっきり言って、冷蔵庫にあるもん何入れたっていいの!
主婦は助かりますよ、本当に。

食べる時だってちょっとしたゲームが出来ます。
鉄板に小さめのお好み焼きを何種類も作って
トッピングがわからないようにひっくり返して
「神経衰弱ゲーム」!!
当たった人しか食べられません!
もう、子供は大喜び!!

絵心のある人なら鉄板にお好み焼きで世界地図を
描いてください!
順番に好きな国を食べるなんて、いかが?
言ってみれば「家庭版・世界征服」ですね!
松方弘樹さんだって
「世界を釣る」って言ってらっしゃいますし。
家族がビッグな人間になること、請け合いです!

貧しくても、食卓には笑顔!!
これこそが愛のある暮らし!

こういった工夫はとても大切です。

私は以前、流行の兆しを見せた
「ノーパンしゃぶしゃぶ」の時も
「これはすごいな」と感心したものです。
だって「ノーパン」で「しゃぶしゃぶ」食べるだけで
夫が喜ぶんでしょ?
お安い御用じゃん!!

で、この最大のメリットは
「安いお肉でもOK」ってことなの!
夫は肉どころじゃないでしょ? たぶん。

これをやる時の注意点は「子供には知られぬように」
という、一点のみです。

こんな風に、家庭の食卓はもっと楽しく豊かにできるのです。
何も、「いいもの」や、
「手の込んだ物」に限ったことではなく。

最も大切なのは「主婦の心意気」
「サービス精神」なのです!

夫が喜べば、出世するでしょう!
出世しないとしても、きっと元気な夫になるでしょう!
それは、とても幸せなことです!!
パンツの一枚や二枚、脱がないで、どうするの?!
でしょ?

まあ、そんなわけで
「お好み焼き」でしたね。

「お好み焼き」の最大の特徴はその道具です。
大きな、ステンレス製の「ヘラ」。
あれを、両手に持って「カンカン」といい音をさせながら
押えたり、ひっくり返したり、肉を切ったり
卵をぐちゃぐちゃにまぜたり、するのです。

そんな、万能な「ヘラ」。
料理の途中で、鏡代わりにしてお化粧直しだってできます!

夫の前では、いつも綺麗でいたいですものね!
参考になさってください!

そして、マストは「お好みソース」。
皆さんが、よ〜くご存知の
「おたふくソース」や
広島の繁華街では意外に使用頻度の高い
「カープソース」なるものもあります!
どちらでも、「お好み」でど〜ぞ!!

あとの「青海苔」「鰹節」
「マヨネーズ」はお好みで!!

これだけ、バラバラな個性の食材を
「お好み焼き」として
見事にまとめる「お好みソース」!
とにかく、何でも「お好みソース」を
かけさえすれば「仲間」なのです!
素晴らしい精神だと、思いませんか?

「お好み焼き」のように
慈愛に満ちたメニューは
家庭を支えてくれます。
経済的にも、精神的にも!!

のびのびとした子供!
さわやかな夫!!
ニコニコした妻!!

このような愛ある家族を手に入れるために
さあ、「お好み焼き」をつくりましょう!
もちろん「お好み」で「ノーパン」でもOKよ!!



ええと、まえまえから思っていたことがあるのですが、
フランソワーズさん、
かなりの「イカ」好きですね。
第9回でも、そのものずばり
「イカ」をほめていらっしゃいましたが、
今回の原稿でも、じつに3回も
「イカ」が登場します。
どうやら「ほめ道」の裏テーマは
「イカ」、そして「亭主」。
だからどうしたというわけではありませんが。
それではまた来週。

イラスト:さとうみどり

2004-03-09-TUE


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