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| ほめ道を往く。 「ほめられて伸びる派」のためのページ。 |
| 「ほめ道」の探究者、フランソワーズさんは、 さまざまなものをほめ称えるわけであるが、 傾向をひとつ述べるとすれば、 「けなげ」なものに弱い。 人知れず、実直に、誠実に、 任務をまっとうしているようなものに対し ついつい「ホメルギー」を注いでしまう。 今日のお話は、暖かい春の日、 フランソワーズさんが お出かけする場面から始まります。 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
春ですね〜〜！！ 女性のみなさんはブーツからミュールに履き替える季節。 私も先日、ちょっとしたお出掛けで ミュールを履きましたよ♪ルンルン♪ でもね〜、さすがに「なま足」にはちょっと‥‥。 わかってるんだけど、勇気がなくてストッキングを 履いてしまったの‥‥。 ピーコさん、ごめんなさい！！ つま先は開いてないタイプなので許してください！！ でね、玄関を出て「あれ？」 どうしたことかしら？ うまく、歩けない！！ すべるの！！ 足にミュールがついてこないのよ！！ だから、仕方なくつま先に引っ掛けるようにして 一歩一歩、進んだんだけど！！ でも、これが、疲れるのなんのって！！ とてもじゃないけど、この歩行法で目的地になんて 行けやしない！！ 家を出て、団地内を出る前にもう、足はつりそうだし 姿勢は前かがみでおかしいし！！ せっかく、サマンサばりのワンピース着て おしゃれしてるのに、台無し！！ ストッキングを脱いで、「なま足」になるべきか？ いや、それはできない！！ まず、小雨も降ってて、寒い！！ 冷え性の私。 そんな、命を賭けるほどのことでもないはず！ それに、第一、駅に着くまでストッキングを脱げる 場所なんてないし‥‥。 落ち着け！！ 私！！ でも、どうしよ〜〜！！ 駅に着くまででもあと500メートルはある！！ そこで、わたしは思いつきました。 「足の裏にテープを貼って、ミュールと一体化させよう！！」 なんとか、団地から脱出し、 地元に古くからある「酒屋」に寄ったの。 「すみません‥‥。セロテープありますか？」 「あ〜、ないけど、じゃあこれ分けてあげよう！」 そう言って、ご主人はお店の備品のセロテ−プを 一巻き100円で売ってくれました。 「ありがとうございます！！」 そう言って、急いで道端でこそこそと セロテープを輪っかにして足の裏に貼りました。 初めはなんとなくいい感じ。 でも、２〜３０歩、歩くともうはがれてきちゃったの。 「弱し！！ 粘着力！！」 困った〜！！ 仕方ないので何度も、貼っては歩き、貼っては歩き。 そうしている間に駅に到着！！ で、そこにはコンビニが！！ 「あ〜〜！！そうだった！！助かった！！」 そこで、買いました！！ 「両面テープ」！！ ミュールの方に貼って、足を入れた途端 まるで調合金のロボットの合体のように 「シャキーン」とぴったりはまったの！！ 「これよ！！ この感じ！！」 素晴らしい、「両面テープ」の粘着力！！ よく、考えてみたら、 一枚の紙の両面にしっかり糊がついてるから 「よどみない」わけよ！！ でね、電車の中でずっと、考えたんだけど この「両面テープ」って決して仕事中は ひと目に触れることがないわけじゃない？ だって、自分の表にも裏にも何かを貼ってるわけだから。 そう思うとなんて「けな気」なのかしら？ そりゃあ、セロテープくんもがんばってくれましたよ。 でも、「ここに居ます！！」と自己主張は強いけど 肝心の粘着力や 輪っかにしたりの「応用力」が乏しいタイプなのね。 それに比べて「両面テープ」くんはえらいよ！ だって、粘着力、応用力兼ね備えて しかも、「控えめ」。 忍者のように身を隠し、いい仕事をする！ テープの中のテープよね！！ 時に「くっつきすぎて失敗」ってこともあるけど そんなとこも、かわいい！！ だって、仕事熱心ってことが伝わって来るんだもん！！ 私にはこんな「ひたむきさ」がたまんないの！！ これからは、バッグにはいつも「両面テープ」！！ これは女性の常識ね！！ 例えば、外でボタンが取れちゃったり、 ファスナーが壊れちゃったり、 財布に穴があいたり‥‥。 あと、トイレで荷物を掛けるところが無い時にも テープを壁に貼って、かばんをピタッ！！ もちろん、軽めのかばんしかできませんし、 貼ったテープは必ずはがしてくださいね！！ 良いかばんはやめといた方がいいでしょう！ って、まあ、役立つ役立つ！！ 本当に！！ ちなみに、家に着く頃には足の裏が ちょっぴり、痛かったけど 「両面テープ」くんの愛だもの！ 当然よね！！ 知ってると思うけど「愛」とは 「痛み」を伴ったりするものなのよ！！ 「ああ、『両面テープ』くんの愛が痛い！！」 あなたもこの「愛」で満たされてみて！ だって、「春」なんだも〜〜ん！！
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 両面テープのよさを述べるにあたり、 「よどみない」と表現するあたりが希有である。 生活のなかに、ほめるべきものを見つけ、 独自の観点からあらためて評価する。 みなさまも実行してみてはいかがだろうか。 また来週。 イラスト：さとうみどり |
2004-03-30-TUE
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