| 糸井 |
さきほど、ブライアンさんは
「自分たちはちょっと変わってる」と
おっしゃってました。
あるいは、いまはふつうと違っていても、
将来、当然のこととして受け取られるような、
「ポストモダン」として存在したいと。
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| ブライアン |
そうですね。
どうも私は、つねに常識というものを
疑ってかかるクセがあるんです。
なにも考えずに常識に従うことを
批判的にみてしまうというか。
そのおかげでうまくいったこともありますし、
逆に、ひどい目に合ったこともあります。
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| 糸井 |
（笑）
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| ブライアン |
この会社の組織のあり方も、
いままでの会社の常識というのを
疑うところからはじまってますし、
私たちのビジネスそのものも、
従来のマーケティングのやり方が、
すでに終わって壊れているんじゃないかって
疑ってかかるところからはじまっています。
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| 糸井 |
そういう姿勢は、
ほかの人たちとは違っていたけれども、
ブライアンさんとデイヴィッドさんの
ふたりには共通するものだった。
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| ブライアン |
そうです。
だからこそ、私たちは会うことになったんです。
順番としては、まず、私が会社を立ち上げて、
そのときのマーケティング担当者が、
デイヴィッドの書いた
マーケティングの本を読んだ。
で、書かれている考え方がすごく似ているから
会ってみましょうよっていうことになって、
メールを送って会うことになったんです。
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| 糸井 |
へぇぇ。
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| デイヴィッド |
で、そのとき私は、
このラップトップじゃなくて、
別のコンピューターをつかっていたんですけど、
これと同じようにグレイトフル・デッドの
ステッカーが貼ってあったんです。
で、それを見たブライアンが
「おお、グレイトフル・デッド！」と。
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| ブライアン |
そうそう（笑）。
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| デイヴィッド |
で、ナンタケットのステッカーも貼ってあって、
それを見た彼が、
「あ、ぼくもナンタケットに
行く予定なんだよ」って。
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| ブライアン |
さらに、そこに
日本関連のステッカーも貼ってあって。
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| デイヴィッド |
そうだ、明治神宮のステッカー（笑）。
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| 糸井 |
ははははは。
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| ブライアン |
ほら、ぼくらはふたりとも、
前に日本で仕事した経験があったから。
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| 糸井 |
そうか、そうか（笑）。
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| デイヴィッド |
うん、あれは、不思議だった。
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| ブライアン |
もう、なんか、小さい頃に
離れ離れになった兄弟が再会した、
っていうくらいの不思議な縁を感じました。
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| 糸井 |
すばらしいですね、それは。
ブライアンさんにしても、
デイヴィッドさんにしても、
それぞれがひとりのときに
「こういうのがいい」と
思っていたことが重なったわけだからね。
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| ブライアン |
そうですね。
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| 糸井 |
とくに、周囲の常識とは
まったく違うことを考えているときは、
「自分じゃないもうひとり」が
それを聞いてくれるっていうだけで、
もう、ぜんぜん強さが違いますからね。
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| デイヴィッド |
そのとおりです。知り合うことで、
お互い、ほんとうに気持ちが強くなりました。
また、価値観は共通していたんですが、
お互いの仕事の分野が
異なっていたこともよかった。
私の仕事は本を書くことと講演することで、
ブライアンの仕事は
自分の事業を広げていくことでしたから、
ぶつかることがなく、お互いに、
助け合うことができたんです。
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| 糸井 |
あと、試せるでしょ。
お互いのアイディアを、お互いにね。
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| ブライアン |
はい。
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| 糸井 |
すばらしいなぁ。
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| ブライアン |
「さみしさは仲間を呼ぶ」
（英語の格言）
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| 糸井 |
ああ、いいですね。
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| ブライアン |
結果的に、
周囲からはクレイジーだと思われてた
ふたりの考え方が一致していたことで、
ぼくらは互いに確信を得ることができたんです。
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| 糸井 |
まだ、ふたりとも、
大きな成功をおさめていないころですよね。
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| ブライアン |
まったく（笑）。
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| デイヴィッド |
出会った頃、わたしの本は出たばかりで、
2000部くらいしか売れていませんでした（笑）。
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| 糸井 |
ああ、そうなんですね。
いま、デイヴィッドさんの本は
ボストン大学のマーケティングの
教科書として使われていると聞きましたが。
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| デイヴィッド |
まだ、まったく知られてませんでした（笑）。
ブライアンのほうも、
会社を立ち上げたばかりで、社員は７人くらい？
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| ブライアン |
そうだね。
たぶん、最初のお客さんと
やっと契約できたぐらい（笑）。
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| デイヴィッド |
ふたりとも、それっきりで
終わった可能性もあったんですよ。
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| 糸井 |
スリリングですねぇ。 |
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To Be Continued...... |
