飯島食堂へようこそ。おでかけ編 キッチンツール選び、ごいっしょに 重松清さんと、かっぱ橋。
かっぱ橋道具街とは
「46年生きて、初めての趣味ができたんだ」 と、作家の重松清さんが言うのです。 その趣味というのは、料理。 飯島奈美さんの『LIFE』がきっかけなんだそうです。 (うれしいなぁ。)  重松さんによると、趣味が料理の男には 2つの進む方向があって、 ひとつが「燻製」、 もうひとつが「包丁」。 なるほどなるほど。 で、重松さんはどっち派なんでしょう。 「おれは、包丁派!」  じゃあ、行きましょう、 東京で調理道具といえばここ! の、 かっぱ橋道具街へ! もちろん、飯島奈美さんも、いっしょです。  (聞き手はおもに、武井です。) LIFE

連載を楽しんでくださったみなさまから
「こんど、行ってみます!」
「東京観光のコースにいれなくちゃ」
というようなメールを、たくさんいただきました。
そんなみなさんのために、
飯島さんが地図をつくってくれました。
かっぱ橋道具街に行くときに、
プリントアウトしてくださいね。

▲クリックすると、PDFファイルがダウンロードできます。

その1 便利グッズって面白いなぁ。@キッチンワールド
某月某日朝9時半、始業前のかっぱ橋道具街。
地下鉄銀座線田原町駅と稲荷町駅のあいだ、
浅草通りから入ってすぐのところで
飯島奈美さん、重松清さんと待ち合わせをしました。
   
重松 (元気に浅草通りからやってくる)
こんにちはー!
飯島 重松さん! こんにちは。
きょうはよろしくお願いします。
── きょうは、おふたりに、
いろんなお店を回っていただきます。
重松 はーい。
── かっぱ橋道具街は、
浅草通りから言問通りまでのあいだ、
800メートルにわたる商店街で、
調理器具や食器、厨房機器のお店が
170店舗以上もあるんです。
ぜんぶを見て回るわけにいかないので、
あらかじめ、飯島さんに、
ここはぜひご案内したいというところを
選んでもらっています。
重松 なるほど。
── でも、道すがら気になったお店にも
どんどん入ってくださいね。
重松 (うれしそうに)
何でもありなんだよね、今日?
── 何でもありですよ。
普通に楽しんでお買い物なさってください。
何か目当ての物はあるんですか?
重松 今年結婚した、担当編集者が2人いるんですよ。
まだ、俺、お祝いを贈ってないんです。
でも、もうみんな、生活始まってるから、
何つうの、思わずニヤリとするような
物を持ってかないとカッコつかないんだよ、もう。
一同 あはははは。
重松 で、ここだったらあるんじゃないかなと思って。
── あるかもしれないですね。
飯島 私、そういうときに、よく、
調理用の鉄板とか買いますよ。
ほら、このお店にもたくさん。
ステーキやハンバーグをのせて出す鉄板とかって、
なかなか普通に売っていないので。
重松 それがあった瞬間に洋食屋さんだよね。
飯島 ビビンバ鍋とかもいいですね。
重松 あ、ビビンバ鍋ってあるんだ!
飯島 はい、直火オッケーです。
重松 すごく失礼な言い方だけど
灰皿にだってなるよね。
シブい灰皿になるよ。
あ、これ、可愛い。
これも可愛い。
飯島 ほんとだ。どれも可愛いですね。
重松 切りがないぐらいあるね。
── では、ぶらぶらと、
飯島さんのおすすめのお店まで
歩いてみましょうか。
飯島 はい、ちょっと先にある
キッチンワールドへ行きましょう。
広くてすごく見応えがあります。
重松 (通りを見て)すごいね。
よくさ、こういう商店街って、
シャッター通りになってたりするじゃないですか。
でも、ここは全然大丈夫なんだね。
飯島 調理器具の築地みたいなところなんです。
小売りもしてくれる店が多いんですけれど、
ひまそうだなぁ、というような店でも、
基本的には問屋さんの仕事をなさっていて、
電話注文で「あれ、100個ちょうだい」
みたいな感じでお仕事なさっていて。
実際にお客さんが来てなくても、
商売が行われていたりします。
重松 ここで買うということが
しっかり定着してるんだ。
飯島 デパ地下にある大手のお総菜屋さんとかも、
この街で使い切りの器や
ショーケースを揃えていたりしますよ。
重松 やっぱりロットがおっきいんだね。
── つきました、
キッチンワールド東京直輸入センターです。
おっ、ジャムおじさん(糸井重里)の
使ってるジャムの瓶、たくさん売ってる!
飯島 これもいいですよ。
ル・クルーゼにこれを付けると
蒸し器になるんです。
重松 蒸し器になるんだ!
飯島 ル・クルーゼ持ってる人だったら
これだけ買うといいですよ。
一同 あこがれですー。
重松 (ひたすら感心)
これ、使って、蒸し器に。
そうなんだ。
蒸し器になるんだ。
飯島 蒸し器って本気で買うと高いので。
重松 そう、高いんですよね。
飯島 あと、これもいいですよ。
── 表面がぎざぎざになっている、
鋳鉄ほうろうのフライパン。
これもル・クルーゼなんですね。
飯島 グリルパンっていいます。
ステーキ焼くときかに、
ほどよく油が落ちるので
いいんですよ。
重松 そう、うちのかみさんはね、
ル・クルーゼを揃えてる。
飯島 あ、じゃあこのあたり、
買ったらお喜びになりますよ。
重松 うん、これちょっと、マジで。
(凝視)
── ル・クルーゼ、特別価格にて販売中ですって。
東京でいちばん安いんじゃないかな‥‥。
重松 (ル・クルーゼをのせてある棚を眺め)
これ、かっこいいな。
かっこよすぎる。
── 棚が?
重松 かっこいい。
あっ、この棚も、
ル・クルーゼ製だよ。
売り物なの?
飯島 これは値札がついてないですね。
重松 さすがに売りものじゃないか。
── 売ってたら買いそうな勢いですね、
重松さん(笑)。
重松 いいねえ!
飯島 わたしも欲しい。
いいですね。
── こんな便利器具もありますよ。
ムッキー。
簡単皮むきグローブですって。
手にはめて、里芋、山芋の皮をむく。
重松 へぇー!
表面がざらざらしてるんだ。
面白いね。
飯島 これも面白いですよ。
熱湯の中でもオッケーな
調理用のグローブ。
重松 熱湯に直接(笑)?!
茹で卵なんか、ぐっと?
飯島 ジャムの瓶を煮沸したときとかにも、
いいと思います。
重松 ああ、そうか、そうか!
トングみたいなやつだと、
つるっとすべっちゃうことがあるもんね。
── そうそう、火傷しないように
ヒヤヒヤしながら。
重松 そうか。そういうふうに使えるんだ。
飯島 こっちにも面白そうなのありますよ。
重松 俺、こういうの、好き。
飯島 「ネギール」ですって。
重松 ネギ、何するの?
飯島 白髪ネギをつくるそうです。
こっちには「くるくるパスタ」って。
持って下に押すとクルクルってなって、
勝手にロングパスタが巻き付くフォークですって。
── ねじれたフォークですね。
重松 こういうの考える人って
毎日何考えてるんだろうね。
飯島 あ、結構、私もよく考えます!
重松 やっぱり分かってくるものなの、
こんなのがあるとこうだよねって?
飯島 あったら便利かなぁって。
あ、いい、「いかクリップ」。
一同 イカ用の、クリップ?
飯島 巨大なクリップなんですけど、
これではさんでイカを焼くと
丸まるのを防ぐんです。
重松 ほほう(笑)。
飯島 これ、いいですね。
ほんとに困るんですよ、
よくこう、菜箸とかで押さえて焼くんですが、
焦げるんですよ、菜箸が。
── フードスタイリストのお仕事には
すごく便利かもしれない!
飯島 そうですねー。
── でも一般の人は
そんなに頻繁にイカ焼かないから‥‥。
丸まっても、いいし‥‥。
重松 あ、俺もね、
うずらの卵を割るやつ。
── はい、はい、ありますね。
ハサミ形状の。
重松 買ったんだけどさ、
1年間に1回か2回しか
使わないんだよね‥‥。
── そういうふうに、
なりますよね‥‥。
飯島 あっ、これ、アボガドがスライスできる機械。
── それも‥‥なかなか使う機会が。
飯島 そうですね。
でもこれならよく使います。
中にニンニクを入れてこすると
皮が剥けて出てくる道具。
── へえー。
重松 「ガーリックピーラー」っていうんだね。
── 意外と剥きにくいですからね、
ニンニクの皮って。貼り付いてて。
  (キッチンワールドの
 便利グッズで盛り上がり中ですが、
 次回につづきます!)

訪れたお店はこちら

キッチンワールドTDI
(東京直輸入センター)

東京都台東区松が谷1-9-12 SPKビル1階
http://www.kwtdi.com/map.html


2009-11-24-TUE

 
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更新の予定
その1
便利グッズって面白いなぁ。@キッチンワールド
その2
単機能商品の宝庫@キッチンワールド
その3
不思議なものもいっぱいある@キッチンワールド
その4
専門店は楽しい!@ドクターグッズ、ヘンケル
その5
洋包丁と和包丁@ヘンケル、釜浅商店
その6
ふだん用の鍋や食器も@釜浅商店、キャニオン
その7
ひとり鍋の店「しげ松」@プロパック
その8
プレゼントを買いました@キッチンワールド再び
その9
重いものが残ってるんだ@合羽橋珈琲店
その10
単機能はすごい@合羽橋珈琲店
その11
46歳、はじめての趣味@合羽橋珈琲店

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