堺屋 |
だからね、日本人の発想、空間的な発想から
概念的に変えなければいけない。 |
糸井 |
ほんとにそうですね。 |
堺屋 |
これはね、日本人を、
一億総不動産屋から解放することです。 |
糸井 |
そうです。 |
堺屋 |
一億総不動産屋になったから、
何を言うても、何百万平米とか、
後楽園何個分とか、そういう面積で言いたがる。 |
糸井 |
入れ物だけに値段がある。 |
堺屋 |
そのとおりですね。
値段でも言う。総工事費何兆円とか。
そういう、円と平米から逃れたいんです(笑)。 |
糸井 |
(笑)何の単位になるか、わからないですけどね。
単位のつかないものでしょうね。 |
堺屋 |
単位のつかないニューユニットが、
おそらく何年かのうちにはできるんでしょう。 |
糸井 |
はい。バリューということですね。 |
堺屋 |
それはね、万国博覧会だったら、
どのパビリオンがよかったかと、
入場者数と感動度をかけあわせるんですね。
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糸井 |
感動度っていうのは何ですか? |
堺屋 |
出てきた出口のところでアンケート調査をして
5段階に書かせるんです。
それでおそらく、感動度というのは、
くりかえしでわかるんじゃないかと。 |
糸井 |
その感動度というか、拍手の分量を
表示するシステムができればいいですね。
いやだけど拍手を思わずしてしまう、
という場合もあるじゃないですか。
それも感動ですよね。
「やなやつだったよねー!」とか。
心拍数に近いような、心の揺れとかを
それをビジュアルで、どのボタンを押したら
どのくらいの音量なり、見える分量で
自分の気持ちがフィットしたかを試してみて、
「これだな!」というところにクリックするとか、
そういうような、
言葉にしないほうがいいんじゃないかと思います。 |
堺屋 |
それができたら、視聴率が変わるけどね。 |
糸井 |
ですね。変えたいですね。
今までのは数字なんですね。
今までの土地の広さだとかつくってるという実感が、
あれは「広大な敷地」でシンボルになったけれども、
今度のシンボルは、大きく言うと、
「笑い顔」だとか「拍手」とか、
そういうものになるんじゃないかなあ。 |
堺屋 |
あのね、巷でもてはやされる話題だと思う。
学校や職場や公園で
「お前、あれ見たか」
ということだと思う。
インターネットのパビリオンに、
どれだけのひとがつくかなあ、と。 |
糸井 |
じゃあ、堺屋さんが、俺を口説いてくれないとな(笑)。
既にあって、ある種のコミュニティのあるところが
どれだけ乗ってくれるかなというのが
非常に大事なんですよね。 |
堺屋 |
そうです。 |
糸井 |
今は、企業とまったくの個人しかないですから、
もう少し、
コミュニティをつくっているひとたちの動きが、
「やっぱり、インパクで、あの舞台で踊ろう」
という気分にさせる、
何かこう、動機が必要ですよね。 |
堺屋 |
「踊り踊るなら、花のお江戸」というのと一緒で、
「踊り踊るなら、あのインパクで」と。
そうするとやはり、代表選手がね。
あれがやってるこれがやってる、
というところで、そこですぐ糸井さんに
参加してもらいたいところなんですけどね。 |
糸井 |
ああ、やっと口説かれた(笑)。 |
堺屋 |
口説きたい人が何人かいますよね。
(つづく)
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