糸井 |
こないだ、経済的な意味では
ITがどういうことかを
散々書いている人は多いけど、
実際にどう使っているかが怪しいということで、
「使うインターネット」という面から
ぼくらが「ITテスト」というのを作って、
記者会見で発表をしましたよね。
あれは堺屋さんが率先して、ある意味では
恥をかこうという姿勢をとってくれたので、
非常にありがたかったんですよ。
あとで聞いたのですが、
パビリオンの設営者の方たちは、みんな
すすんでテストを受けて恥をかいてくれた。
だけども、記者の人は、3割がその問題を
置いて帰っていったんです。
その人の名誉には何にも関係がなくても、
「やるもんか」という強い意志を感じまして、
さみしくなりましたね・・・。
あのテストの結果の出る姿で、
日本のITの水準が逆に分かるとおもっていたのに。
あのテストは、英会話だったと思うんです。
文法や読解ではなくて、会話でハローと言えるか。
そういう試験を受けてみて、ああ、
まだここまでしかできていなかったんだ、
というのが知れれば、
次にいけるなあと思って実施したのに、
堺屋さんが問題を解いている姿を報道はしても、
自分たちではしないという人が
3割もいたのかと知って、さびしくなりました。
あの、堺屋さんに、ひとつお願いがあるんですが、
あのITテストを、堺屋さんを出発点にして
数珠つなぎのように次の人にテストを受けてもらう、と、
巡回をしてゆきたいのですが・・・? |
堺屋 |
はい、いいですよ。
どなたがいいですか? |
糸井 |
ITについて
ちょっと知っている人でもいいですし、
ぼくらが言っても無理だけど、
堺屋さんが言えば
オッケーという人が、いちばんいいです。 |
堺屋 |
田原総一朗さんなんて、どうですか? |
糸井 |
いいですねえ!ありがとうございます。
今ぼくが頭を悩ませているのは、
みんなが思っているよりも最初のアクセスはないぞ、
というところなんです。
自分で2年半サイトをやっているだけに、
どんなに広報活動をしていても、
そこにアクセスするかは違うというのがわかりますから。
だから、そういうスタートの中で、
だんだんよくなるというイメージを、
ぼくは何とかして作っていきたいと思っているんです。
そこが勝負だと。 |
堺屋 |
日本万国博覧会を開いた時には、
決定から開催まで5年間ありましたが、
はじめの4年間は、
ほとんど批判以外出ませんでした。
何しろ学生運動全盛期でしたから。
しかし、最後の一年前くらいに、学生たちが
「博覧会って面白そう」と言い出しはじめた。
そして、開会になりましたが、
最初の3月15日からの1か月、
4月までは、入場者数は低迷しました。 |
糸井 |
やっぱり、そういうものなんですか。 |
堺屋 |
はい。
一ヶ月で500万人来て欲しいと言っていましたから、
一日平均で17万人くらい
入らないといけなかったのですが、
はじめの1か月は300万人を下回っていました。
当然、東京のマスコミは、無視。
天皇陛下が開会に訪問などを報道する程度です。
ところが、ゴールデンウイークを過ぎる頃から
だんだん増えはじめまして、1日に30万40万。
6月くらいからは、
東京のマスコミも一斉に書き出した。
新幹線が超満員になって、8月になると1日80万人、
往復で160万人の人たちが「万博駅」を乗降して、
新宿駅の乗降数を抜いた、というところまで行きました。
今度も、だんだんと盛り上がる雰囲気が欲しい。
そのためには、口コミがどれだけ盛んになるかでしょうね。 |
糸井 |
はい。
確かに、今「ほぼ日」の
読者が増えていっている様子も、
だいたいが「ともだちから聞いた」なんですよね。
(※対談は、いったんここで終わります。
ご愛読、どうもありがとうございました。)
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