ジョージさん、 俺の人生を 香らせてください。 男たちのフレグランス。
ジョージさんのお勉強篇 その1 はじめまして、松原さん。


シェフ おはようございます。
ここは伊勢丹新宿店正面玄関です。
伊勢丹の人 おはようございます。
ジョージ お久しぶりでしたーっ!
きょうはいっぱい、
いい香りのお勉強を
させていただこうと思います。
どうぞよろしくお願いします。
伊勢丹の人 こちらこそどうぞよろしくお願いします。
以前取材にいらっしゃったときは
まだフレグランスコーナーの
リニューアル前でしたものね。
ジョージ すぅごい綺麗な売り場になりましたよねぇ。
前は2階にあった「ビューティアポセカリー」
地下2階に移って大きくなって。
あそこのシャンプーやせっけん、
アロマオイルやアロマキャンドルなどの
ラインナップも素敵ですよね。
大好き。
本屋さんやカフェもあるのよ?!
伊勢丹の人 ありがとうございます。
漢方やサプリメント、スパ、
女性専用のクリニックもございます。
ジョージ さすがにそこには入れないけど!
きょうは本館1階の
おっきなフレグランスコーナーにお邪魔しますっ。
じゃ、さっそく。
ていうか入るとすぐ左手に見える場所ね。
ここに入るとなんかバーテンダーに
なったみたいなかんじがするわー。
シェフ こちら、本日担当いただく
伊勢丹新宿店、フレグランスコーナー担当の
堀川さんです。
堀川さん どうぞよろしくお願いいたします。
自由に見て、回って、
ためしてみてくださいね。
ジョージ はい。西本っちゃん‥‥ちょっと、ニシモト!
あんたのために来てるんだからしゃんとしなさい!
西本 (ちょっと場違いな雰囲気にオロオロしつつ)
は、はいっ!
よろしくおねがいします! ニシモトですっ!
ジョージ 今日のコンセプトは、
ここにいる、いたいけな男の子なんです。
シェフ 男の子と言うにはトウが立ってませんか?
西本 41歳です。
シェフ 「いたいけ」でもないですね。
堀川さん (笑)。
西本 どうぞよろしくおねがいします。
ちょっといい香りをさせたいなっていうのが
個人的な欲求でありまして。
今日、満員電車に乗ってきたんですけど、
いいにおいが全然しなくて。
「あぁなんかおじさんのにおいがするなぁ」って。
でも自分もおじさんだから
もしかしたら自分もそのおじさんぽいにおいを
発してる人だと思ったら申し訳なくて。
基本的に「いい香り」の人になりたいんです。
妻にも聞いたんですけど妻もよくわかんない。
「いい香り、探してもらってきなさい」と。
で、「できれば私も使いたいわ」ぐらいのことを
言ってたりもします。
堀川さん かしこまりました。
シェフ 西本家はみんながスポーツ系なんです。
普段は香りにあまり縁がない。
そしてこどもが二人。
西本 長男が小学校1年生、長女が5歳です。
シェフ で、子供たちが大人になってから
「パパのにおいって、良かったね」
って言われたいらしいんです。
西本 そうです! 子どもの記憶にも残りながら、
っていうのがちょっとポイントです。
シェフ あと加齢臭ってのは思い込みだと僕らは思ってます。
そんなに今気にしなくてもいいんじゃないかと。
清潔にしてれば別にいいんじゃないの? と。
西本 毎朝、ジョギングしてるんで、
汗もパァッとかいてシャワー浴びて出勤してます。
そんな男です。
ジョージ やだ、緊張してるのが可笑しい(笑)。
そっかあ。西本っちゃん一人で
このキラキラ売り場はちょっと無理なのかな。
西本 緊張しますね‥‥。
ジョージ この巨大な売り場はどうなってるんですか?
堀川さん いちばん奥が「ジョー マローン ロンドン」という
ワンブランドのショップです。
ジョージ つまり、伊勢丹さんイチ押しってことね。
堀川さん その手前の区切りの柱からこちらが
メゾン・ハイブランドと言われているような
コーナーになっています。
ジョージ つまり、香水の専門メーカーによる
最高級ライン、ってことネ。
堀川さん はい。そしてさらに手前の柱から左側が
メゾンブランドというくくりになっております。
さらにルーム・ディフューザーやフレグランスなど、
各メゾンの集積コーナーと、
ファッションブランドのフレグランスを
集めたコーナーになっております。
シェフ ファッション系は少なめなんですね。
ジョージ ファッション系は、各フロアの
それぞれのコーナーでも
展開しているでしょうからね。
伊勢丹の人 こちらでも陳列しているもの以外で、
ストックとしてご紹介できるものは
まだまだございますよ。
ジョージ このなかで、いちばんのハイブランドは‥‥。
堀川さん このあたりがハイブランドでございますね。
シェフ えーっと、ゲラン、エルメス、
メゾン フランシス クルジャン、
クリード、ボンド・ナンバーナイン。
ジョージ 西本っちゃん、気になるものある?
西本 やっぱりいちばんコーナーの面積の大きな
ジョー マローン ロンドンが気になります。
シェフ どういうメゾンなんですか。
堀川さん まだそんなに古くはなく、
1994年に誕生したブランドなんです。
イギリスのセレブリティの方を相手にされていた
カリスマエステティシャンといいますか、
フェイシャルをご専門にされていた
ジョー マローンさんっていう
女性が手掛けるブランドで、
もともとはちょっとプレゼントとして彼女が作って
お客様にお渡ししていたようなものが人気となり、
ブランドを立ち上げたというものなんです。
ジョージ へぇぇぇ。
しかも、すごく種類が多いのね。
堀川さん ひとつひとつの香りは比較的シンプルですが、
フレグランス コンバイニング&trade:といいまして、
「これとこれを重ねるといいですよ」と、
ちょっと面白い使い方をご紹介するのも
こちらのブランドの特徴ですね。
シェフ じゃあ単品では使わない?
堀川さん もちろん単品でお使いの方も
沢山いらっしゃいますよ。
ただ、ほかのメゾンやブランドのフレグランスは
どれも完成された香りですから、
なかなか重ねづけってご案内しないんですけど、
こちらはちょっとそういった面白い
楽しみ方があるんですね。
ジョージ へぇ面白い。
「あなたも調香師」ってかんじなのかな。














ジョージさんのメモ
ビューティアポセカリーもすごいのよ

アポセカリー。薬局とかって訳せばいいのかしら。だから、ビューティーアポセカリーって言えば「うつくしくなるためのお薬が沢山そろっている場所」ってことになるかしら。しかもそのお薬。ケミカルな感じじゃなくって、自然でやさしく、ココロまでもをキレイにしてくれそうなステキなモノばかり。ハーブティーとかミネラルウォーターとかまであるのよネ。「キレイのための栄養」が気軽に手に入るなんて、ありがたくってしょうがない。ステキな香りに満たされた売り場を歩くだけでも気持ちがキレイになっていくみたい。










































































ジョージさんのメモ
イギリスのセレブリティって

世界で最も知られた正真正銘のセレブリティって、「エリザベス女王」にとどめをさすに違いないですわね。そのエリザベス女王をいただくイギリスという国。がんばれば、爵位をいただける国でもある。大金持ちがゴロゴロいるアメリカだって、イギリスから比べるとぽっと出の成金の国。だからでしょうか。世界中から大金持ちはイギリスを目指してやってくる。何百年モノのお屋敷を買い、それを買った値段の何倍ものお金をかけて改装をして、ワードローブをブランド服で満たした彼らが「自分たちの香り」で次は家の中を満たしたくなる。「すでにある」モノを買うのじゃないの。「まだどこにもない」モノを買うのが本当のセレブリティなのね。イギリスっておそるべし‥‥。



調香師ってオシゴト

作曲家が、限られた音階の組み合わせでうつくしきメロディーを作り出すように。いくつもの香りの要素を組み合わせ、イメージどおりの香りを作りだす仕事。この調香師は、どんなイメージでこの香水を作ったんだろう‥‥、って。そんなコトを思いながら、ひとつひとつの香水と向き合っていくと自分の香りがかならず見つかる。見つけられるような手がかりを、作ってくれるのも調香師という仕事の一つなんだろうと思うわネ。

(つづきます)

2013-03-11-MON