糸井 |
テレビを観ていて
「バラエティー番組は
どうして仕事の邪魔なんだ?」
と思ったことがあるんですけど、
そこにも、ジャズの話と同じで
「事件性」があるんですよ、やっぱり。
ドラマに比べると、そこにいる本人が
どうなるかを知らないでやっているという。
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タモリ |
そうですね。
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糸井 |
だから、
つまんなくても観ちゃうんですよね。
そのあたりに、ジャズなものがある。
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山下 |
うん。
で、オーディオを好きな人って、
やっぱりライブハウスを作るよね。
ライブハウスをやるっていうのも、
世の中でいちばん儲からない商売で、
やってはいけないものなんです……
でも、やるんですよね。
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糸井 |
そこに出演する人の
気持ちというのは、どうなんですか?
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山下 |
出演する人は、大よろこび、ですよ。
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糸井 |
「俺の話を聞け」だから?
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山下 |
ええ、もう、
聞いてくれる場所に、
呼んでくれるわけですから
「一晩中、みっちり語って聞かせましょう」
ですよね(笑)。
ただ、席亭(オーナー)はたいへん。
オーディオを好きな人は、
やっぱり、ライブハウスに
別の魅力を発見しちゃうんだろうねぇ。
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タモリ |
うん、やっぱり、オーディオだけじゃ……。
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糸井 |
ぼく、必死に考えているのは、
劇場が欲しいってことなんです。
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山下 |
あぁ……それはくれぐれもお気をつけを、です。
どの人にとっても
「現場を持ちたい」というのは、もう
たとえようもない快楽らしいですがね。
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糸井 |
うん。
そうだと思いますね。
看板番組っていう言いかたがあるみたいに、
タモリ劇場とか、さんま劇場という、
ここでは、ヘタなことはできないぞ、
という名前のついた劇場があったら、
ただの何とか会館とは違うと思うんです。
それがあるのとないのとでは、
やれることの範囲が
ずいぶん違うというか……
ただ、ジァンジァンも潰れたし。
あんなに、おおぜいの人が、
ジァンジァンって言っていたのに。
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山下 |
はい。
だから、
いかに経営がたいへんか、です。
今だってじゅうぶん、
ジァンジァンは名前でいけるのにね。
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タモリ |
ジャズライブの店、
新宿でやってますけど、たいへんですよ。
よく持っているなぁと思う。
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糸井 |
え、タモリさん、やってらっしゃるんですか?
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山下 |
ああ、『J』だ。タモリさん、株主だもんね。
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タモリ |
そろそろ、今年の決算。
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山下 |
(笑)
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タモリ |
取締役で会に出なきゃいけないんですよ。
そこで
「5万の黒字です」
というと、みんなで
「バンザイ!」
「よくやった!」
といいましたね。
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山下 |
いいなぁ。
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(つづきます) |
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