糸井 | ジャズの歴史っていうのは、 年表に書けるようなものなんですか? |
山下 | 中洲産業大学のタモリ教授による 『教養講座・日本ジャズ界の変遷』って レコードによれば(笑)、 そもそもの出は「アフリカ」だと。 |
糸井 | アフリカ、ええ。 |
山下 | アフリカの人たちが 太鼓で通信しているということから はじまったと説明するんですね。 |
糸井 | あのタモリ教授の講義は、 なんだかふざけてるようでいて じつにちゃんとした講義なんですよね。 |
山下 | ええ、あってるんですよ。 つまり、ジャズというのは、 奴隷貿易の歴史とも関わってくるんですが、 |
糸井 | はあー‥‥。 |
山下 | ‥‥激突みたいなものですね。 そういうものをいまだに音の中に残してるような、 |
糸井 | なるほど。 |
山下 | 発祥はニューオーリンズだと言われてます。 で、そのおもしろさを理解した |
糸井 | お互いに、影響していったんですね。 |
山下 | どんどん混ざっていったんですよね。 だから、ものすごく芸術的なものから |
糸井 | ロックだって、そうですね。 |
山下 | いまの娯楽音楽をたどっていくと、 で、そのなかからどのへんを切り取って |
糸井 | どんなふうにやろうっていうのを もう、構成しはじめてると。 カレー、煮込まていれる合間にも(笑)。 |
山下 | まず、「アフリカ」がありますよね。 そこには、すでにブルースは |
糸井 | ええ、ええ。 |
山下 | ドビュッシーのピアノ曲集「子供の領分」にある つまり、それらがあって、器楽曲として |
糸井 | まだ「モダン」は出てきてない? |
山下 | いや、じつはね、戦争中に。 |
糸井 | 戦争中に、モダン? |
山下 | できたらしい。 |
糸井 | どういう加減でできてきたんですか? |
山下 | うーん‥‥そのころ、 直後の音は聴けますし、いずれにしても、 |
< 続きます > |
タモリさんの伝説のアルバム 『TAMORI』に収録されたネタのひとつ。 「クラシックの専門家」という設定の 「中洲産業大学芸術学部器楽科・タモリ教授」が 「ジャズなんてたかが民族音楽ですから」などと 皮肉を言いながらも、 その発生から進化を、歌やピアノの実演を交えながら 独特の語り口で説明する。 ただし、その内容はそうとう「きちんと」していて、 単におもしろおかしいだけでなく、 山下洋輔さんが 大学の授業で使ったこともあるほどだとか。 今回の「はじめてのJAZZ 2」のステージで 復活するというウワサも‥‥ある!? |
2007-09-26-WED