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ただね、いまだに
「ジャズはサッチモだよ」とか言って、
日本のジャズなんて聴けるものかって
言っている人の気持ちも、理解できるんですよ。
だって、ぼく自身もさ、
ミステリ小説なんて翻訳ものしか読まないし(笑)。 |
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自分のなかで、
なんというか「原理主義」みたいなものがあると。 |
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ジャンルによってはね。
だから、クラシックの世界もそうだし、
ジャズに限らず、あらゆる文化に
そういうことってあるんじゃないかな。 |
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食べるものでもそうですよ。
「外国のにぎり寿司は」ってやつですね。 |
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ずーっとアメリカに住んでいて、
ライブにもよく行って、
一流ミュージシャンのライブや、
レコードを全部聞いている日本の人がね、
「結局、日本人のジャズがいちばんだ」って
言ったことがあった。 |
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あ、そうですか。 |
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やっぱり、なんだか「合う」って言うんですね。 |
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それ、東京のイタリアンが
いちばん美味いって
イタリア人ですら言うような‥‥。 |
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インド人も「日本のカレーが」(笑)。 |
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美味い! とかって(笑)。 |
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子どもが好きになっちゃって
困ってるんです、とか(笑)。 |
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それって、なんなんですかねえ。
なにかと再現性が高いんですかね、日本人は。 |
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うん、それはそうかもね。 |
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だけど、おおもとのところは
最初のところの「うわーっ!」っていう
感動なんですよね。
つまり、ジャズで言えば
「打楽器、禁止」されちゃうほどの
エネルギーというか。 |
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西欧でも、トルコの軍楽っていうのは
かなり打楽器を多用するんだけども、
それが、ま、脅威だったらしいね、やっぱり。
ヨーロッパにしてみたら。 |
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恐いんだ。 |
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恐いらしいんですよ。 |
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トルコ行進曲。 |
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(トルコ行進曲のリズムをとって)
ダン! ダン! ダン、ダン、ダン!
ダンダカダッタ、ダンダカダッタ、
ダン、ダン、ダン!
‥‥って行進してきたら、恐いだろうねぇ。 |
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脅威だったらしいですよ。 |
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ダン! ダン! ダン、ダン、ダン!
っていうリズムは、
モーツアルトの「トルコ行進曲」にも、
ベートーベンの「トルコ行進曲」にも入ってる。 |
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いや、だんだん恐くなってきましたよ。
いま山下さんが言ってるのを聴いてたら(笑)。 |
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