── |
大貫さんは、1曲を録るのに、
何十回も同じことを
やったりすることもあるんですか。 |
大貫 |
いいえ、そんな何十回も
同じことをしては録れません。だいたい、
3テイクぐらいまでしか録れないですね。 |
── |
3テイクって決めているんですか。 |
大貫 |
3テイク目までで録れなかったら、
何か問題があるんですよね。
だから、大体、多くて3テイクまで。
それは、全員でやった場合ですよ。
その前にもちろん、リハーサルはしますけど。
それに、人の緊張って、
そんなに続かないんですよね。
そんなに何回も何回も録れるほどの緊張は。 |
── |
そうすると、レコーディング全体にかける
時間としても、ダビングに比べて、
随分、節約できそうですね。 |
大貫 |
ええ、そうですね。ただ、やっぱり、
録るまでの気持ちが‥‥
いい感じになってくるまでの感じとか、
その前にバカなことを
みんな言ったりしていて、
盛り上がってきて「やりましょうか!」
って言うまでには、
結構、時間かかるんですよ(笑)。 |
── |
それは、大貫さんが自ら、盛り上げ係に? |
大貫 |
もちろんですよ。私はそのための役だけって
言ってもいいくらい。ほんとに(笑)。
だって、やっぱり私のレコードなので‥‥ |
大橋 |
ええ。 |
大貫 |
いいものさえ録れれば! って、
それだけしか考えてないじゃないですか。
責任があるのは私だけですから、
それに関して。そのためだったら、
もう、もう‥‥(笑)いくらでも! |
── |
アハハハハ‥‥そうなんですか。
沼澤さんは、「大貫さんのレコーディングで
おいしいサンドイッチを食べたよ」とか、
よくおっしゃっていますよ。 |
大貫 |
ええ。レコーディングの前にね、
私がよく行くカフェに行きまして、
みんなのサンドイッチとか、
サラダとか、ほんとに美味しくて、
体によさそうなものを
ドーンと買って持っていくんです。
あの人たち、ろくな物を
食べていないんで(笑)! |
── |
アッハハハハ! |
|
大貫 |
キーボードの森俊之さんとか、
なんにも食べないで来るんですよね。
忙しいかたなので、
ぎりぎりまで、きっと寝ているのね。
「今日、何か食べた?」と聞くと、
「いやぁ、まだ‥‥」って。
髪がこぉんなに、立ってたりするしね。
でも自分のレコーディングのときは、
何かちょっと口に入れてもらわないと
困るんですよね。
何か、ちょっとでもいいんで。
それで、私が持参するんです。
アメリカなんかの
レコーディングスタジオって、
お昼くらいから始まるときって、
どこのスタジオでもじゃないけれど、
サラダバーみたいなのがあるんですよね。 |
── |
サラダバーがレコーディングスタジオに、
ある? |
大貫 |
あるところが、結構あるんですよ。
フレッシュな野菜が切ってあって、
ディップ‥‥付けるものが何種類もあって、
ベーグルみたいなのが、ぼんと置いてあって。 |
── |
へえ! いいですねぇ! |
大貫 |
そんなものをちょくちょく口にしながら、
楽しく話しながら、
「じゃあ、レコーディングしようか」的な
ところがあるんですけど、
日本のスタジオって‥‥飴くらいかな。
フルーツとか切ってくれる
スタジオもありますけれど。
でも、基本的にそういう感じなのね。
だからやっぱり‥‥何て言うのかな‥‥
スタートは食べ物から! |
── |
なるほど! だから、あんなに
「大貫さんのレコーディングは楽しい!」
という声が出るんですね。
食べ物は、だいじですよね。 |
大貫 |
だいじです!
そういうすべての環境を整えたうえで、
いい気分になってレコーディングして
いただきたいんです。
ちゃんとした食べ物をつねに置いておけば、
ちょっと1個、プレーを終わった後に
パクッと食べられるでしょう? |
── |
いいですね! |
大貫 |
それだけでもね、
すごく空気がいいじゃないですか。 |
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(次の更新は金曜日です!
お楽しみに。) |