「ゲキ×シネ」のプロデューサーに、 収録現場のお話をうかがいました!
山下
えー、みなさま、
本日はわれわれ感激団、
「株式会社ヴィレッヂ」さんにお邪魔してます。
モギ
感激団といいましても、
この場は、あたしと山下のふたりです。
山下
そうですね、ふたりで取材にきております。
金沢
あの‥‥これはもう、
取材がはじまっているんですか?
山下
はい、ぜっさん録音中です。
金沢
そうでしたか。
どうも、こんにちは、はじめまして。
モギ
と、おっしゃるこちらが、みなさま、
「ヴィレッヂ」の金沢尚信さんです。
山下
ええと、まずは「ヴィレッヂ」さんが
どういう会社なのかを
ご説明しないといけませんね。
モギ
演劇のプロデュースと
映像の製作・販売を行っている会社、
ということで合ってますでしょうか。
金沢
はい、おおむね合っています。
山下
で、金沢さんは、
ぼくらがいつもお世話になっている、
「ゲキ×シネ」のプロデューサーさんです。
山下
「劇団☆新感線」の公演や、
その舞台を映像化した「ゲキ×シネ」を
ご紹介するときには
いつもたいへんお世話になっているかたです。
金沢
こちらこそ、お世話になっています。
山下
失礼を承知で申し上げれば。
金沢
はい。
山下
プロデューサーさんといえども、
やはり裏方として、華やかな舞台を
支えるのがお仕事なわけでしして。
金沢
そうですね。
モギ
そんな金沢さんに、
われわれは本日、
何のお話をうかがいに
きたかといいますと‥‥。
金沢
機材、ですよね?
山下
そう、そうなんです!
昨年の『五右衛門ロック』の本番を
「ゲキ×シネ」の収録日に
観せていただいたのですが、
機材がすごくて!
モギ
あれは去年の7月23日のことでした。
金沢
ああ、夏でしたねえ、暑かったです。
山下
あの日の写真を持ってきたんです。
モギ
公演中は歌舞伎町が『五右衛門ロック』に
彩られてましたよね、こんな具合で。

山下
‥‥あの、モギさん、
なぜ、ずぼんの右だけを
こう、ギュッと上にたくしあげてるんですか?
モギ
しりません、わすれました。
山下
まあ、それはともかく、
これもまた貴重な体験だったのですが、
とくべつに、開場前の新宿コマ劇場に
入れていただいたんですよね。
こういうスタッフパスをぶらさげて。

金沢
そこから説明しますか(笑)。
モギ
われわれは、貴重な体験は
あますことなくお伝えすることを
モットーとしておりますので。
金沢
そうですか(笑)。
山下
で、ジャーン、
こちらがお客様が入る前の
新宿コマ劇場です!

モギ
お昼の公演と夜の公演のあいだで、
現場は緊張感に包まれておりました。
山下
そんな緊張感のなか、
ずぼんの右をたくしあげた女性と

ウロウロさせていただいて、
発見したのがこのカメラだったんです。

山下
大きい!
モギ
大きい!
金沢
そうですね(笑)。
山下
こんなに大きいのも!

モギ
さわらせていただきました。
山下
ずぼんの右だけたくしあげながら。

モギ
うるさい。
山下
金沢さん、こうしたカメラ1台が、
なんですか、とんでもないお値段だと‥‥。
金沢
カメラ本体よりはレンズなんです、
高価なのは。
モギ
レンズがそんなに。
金沢
そう、レンズ。
お試しになっていただければわかるんですが、
ヨドバシカメラとかに行きますと、
双眼鏡のコーナーがありますよね。
山下
はい、ありますね。
金沢
そこで1万円くらいの双眼鏡をのぞいてから、
「すみません」と店員さんに声をかけて、
鍵のかかったガラスケースの中にある、
10万円くらいのを見せてもらってください。
さあ、のぞいてみましょう。
はい、どん!
「はーーーーー!」ってなりますよ。
すごくわかるんです、
レンズの切れ味というのはこういうことか、と。
山下
「ゲキ×シネ」のカメラには、
もっとすごいレンズが
使われているんですよね。
金沢
そうですね、ものによっては、
1台何千万のもあります。
モギ
‥‥それが15台。
山下
ということは‥‥。
モギ
億。
金沢
まあ、そういう金額は
計算したことないんですが、
そうですね、高価なカメラで撮っています。
モギ
15台。
山下
あの、これはもう、ぼくのたいへん失礼な
思い違いだったのですが‥‥
15台のカメラだから15人くらいのスタッフで
収録をしているんだと思ってたんです。
金沢
それはですね、無理です(笑)。
山下
ですよね、よく考えればわかることなんですが、
最初のイメージはそうだったんですよ。
金沢
カメラが15台ってことは、
それぞれのカメラにカメラマンがひとり、
アシスタントがひとりってことになります。
それだけでもう30人。
あとは、音声に関するスタッフ、
VTRのスタッフ、
各ディレクターなどなど、
総勢スタッフは約70人です。
モギ
70人‥‥。
それは、お芝居のスタッフとは別ですよね。
金沢
もちろんです。
「ゲキ×シネ」の収録スタッフだけで70人です。
山下
なるほど‥‥。
ええと、カメラをさわらせてくださった、
こちらのかたは? 右は金沢さんですが。

金沢
テクニカルプロデューサーの
井上充夫さんです。
撮影の映像面に関する
技術的なことのチーフですね。
このかたは常に劇場とそとの車を
いったりきたりして‥‥。
山下
そとの車!
車列(しゃれつ)!
モギ
車列ということばを、
このときはじめておぼえました。
山下
新宿コマの裏に収録のための車が
列をなして並んでるんですよね。
こんな大きい車が。

モギ
そこに向かってコードがつながってるんですよ。
こんな具合で。

山下
どうしても気になるのですが、モギさん、
なんでズボンの右だけをたくしあげて‥‥。
モギ
しりませんってば、きっと暑かったんでしょ。
山下
なら、両足たくしあげればいのに。
モギ
うるさい。
山下
‥‥金沢さん、
このコードを見張っているだけのスタッフも、
たしかいらっしゃいましたよね。
金沢
コードは命ですから。
モギ
車列は、何台の車が並んでいましたっけ?
金沢
ええと、たしか6台。
中継車が2台、VTR車が1台、
音中車が1台、機材車が1台に、
電源車が1台。
山下
電源車!
そうでした、電源のためだけの
大きな車が1台ありました。
これですね。
われわれは「電源のパワー」を表現しています。


金沢
(笑)
モギ
スタッフのパワーはこちらですね。

金沢
こんなのまで撮ったんですか(笑)。
山下
70人分のエネルギー、たいせつです。
モギ
われわれは、みたものをなるべく
あますことなくお伝えすることを
モットーとしておりますので。
金沢
はい(笑)。
山下
で、これがVTR車の車内。
このときは人がいませんが。

金沢
本番になると入ります。
15台分のカメラのVTRが一斉にまわると
とんでもない熱を出すんです。
で、夏でしょ? 気を失いますよ(笑)。
なので、冷やさないといけないので、
この車にはそとに専用のエアコンをつけてます。
モギ
はあ〜。
金沢
こっちが中継車のなかですね。
手前にいらっしゃるのが、
ビデオエンジニアの青木伸二さんです。

山下
コックピットのような‥‥。
金沢
15台のカメラの明るさ、トーンなどを
ここでコントロールします。
青木さんはそのチーフですね。
モギ
お忙しいはずなのに、
みなさん親切に案内してくださいました。
このかたも。

金沢
中継車のテクニカルディレクター、
和田弘二さん。
中継車での技術面の統括を
してらっしゃる方です。
この席で映像全体の進行をみています。

金沢
で、こちらが音中車、音の中継車です。
チーフビデオエンジニアの
樋口武史さんです。

モギ
役者さんそれぞれにマイクがついていて、
さらに客席にも、
バンドにもマイクはあるので、
すごいチャンネル数ですよね。
金沢
そうですね、
それをここでコントロールしています。
山下
いやはや‥‥
これだけの機材と人手がかかっていたとは、
あの日はほんとうに驚きました。
モギ
さらにこのあと、
編集があるわけですもんね。
金沢
そうですね、編集はわりと
すんなりできたと思うんですが、
「消し」の作業はたいへんでしたね。
山下
消し?
金沢
お客様の顔が
なるべく映り込まないようにしたり、
ちらっとスタッフが映っているのを消したり。
モギ
そういうことができるんですか。
金沢
はい、あとは役者さんを吊るしている
ワイヤーを消したりしてるんですよ。
「邪魔をしない嘘」は良しと思っているので。
そういうことはやっていますね。
山下
あーそういえば、
本番で見えていたワイヤーが、
「ゲキ×シネ」ではなくなってた!
金沢
あれはもう、
♪かあさんが夜なべをして?
という手作業ですよ。
スタッフには「もういいよ」って
言うんですけど、
意地で消しましたね。
モギ
お客さんの顔も、
なるべく映らないように。
金沢
はい。
山下
でもぼく、映ってました。
後半のほうで。
金沢
‥‥ああ! 
そうそうそう、映ってた!!
あの山下さんは消せなかったんです。
あのアングルで消すと違和感あったので。
山下
客席に降りた江口洋介さんのうしろで、
帽子かぶってぼーっとみとれてる姿が‥‥。
すみません、消し込めないところにいて。
モギ
それはともかく。
山下
そうですね、そんなことはともかく、
きょうはありがとうございました。
貴重なお話をうかがえました。
ぼくら舞台も大好きなんですが、
スタッフのお仕事にもすごく興味があるので。
モギ
このスタッフとこれだけの労力で、
あの「ゲキ×シネ」の映像が
できてるんだって
よくわかりました。
山下
ここまでやらないと、
あのクオリティは無理なんですねえ‥‥。
金沢
そう言っていただけると、
スタッフみんなもよろこぶと思います。
舞台の臨場感や迫力を伝えるために
それぞれ頑張っていますので。
モギ
「ゲキ×シネ」の見方が、
またひとつおもしろくなるよね。

山下

 

うん、ほんとに。
えー、みなさん、
五右衛門ロックの「ゲキ×シネ」は
15台のカメラで撮影されていますが、
15人で撮っているわけではありません!
モギ
‥‥そんなこと思ってたの、
山下さんだけかもよ。
山下
ファミリービデオとは
わけがちがうのです!
モギ
みなさんも「ゲキ×シネ」を観るときには、
ぜひ「映像のクオリティ」にも
注目しながら、
ご覧になってみてくださいね。
金沢
ありがとうございます。
山下モギ
ありがとうございました!
山下
‥‥あの、モギさん、
なんでズボンの右だけを‥‥。

モギ
うるさい。
 
協力:(株)ヴィレッヂ
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今回の感激団メンバー
シェフ モギ
なんこ 山下

感激団による
『五右衛門ロック』の
おおまかなあらすじ
 
くわしくは、こちら

新感線☆RX 『五右衛門ロック』公式サイト
ゲキ×シネ 公式サイト
舞台『五右衛門ロック』公式サイト
劇団☆新感線official site