山下 |
‥‥み、みなさま、はじめまして。
山下哲ともうします(おじぎ)。 |
客席 |
(拍手) |
山下 |
こちらが本日ゲストにお招きしました
杉浦さやかさんです。 |
杉浦 |
こんにちは(おじぎ)。 |
客席 |
(拍手) |
山下 |
‥‥‥‥‥‥あ、あがってます。 |
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山下 |
‥‥では、僕のぬいぐるみを。
こちらです。 |
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杉浦 |
あ、それ(笑)。 |
山下 |
はい、これ(笑)。
じつは先日、杉浦さんがガレージセールを
やられていたのですが、そこで見つけて
ゆずっていただいたパンダなんです。
名前をつけました。マー坊です。 |
杉浦 |
マー坊? |
山下 |
ええ、パンダといえば中国、
中国といえばマーボー豆腐。だからマー坊。 |
杉浦 |
そうですか(笑)。‥‥さとしさんは
マー坊のどこを気に入られました? |
山下 |
‥‥あの、うちの小5のせがれがですね、
いつもぬいぐるみを抱いて寝ているのですよ。
一応それも持ってきました。これです。 |
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杉浦 |
わあ(笑)。 |
山下 |
ねえねえちゃんという名前です。
せがれがいじくりまわしているので
もうボロボロになってます。 |
杉浦 |
かわいいですね、そういうの。 |
山下 |
はい。それで‥‥なんといいますか、
僕もそういうのがほしいと思ってまして‥‥。 |
杉浦 |
ん??? |
山下 |
‥‥画像でおみせします。
こう、夜中に仕事を終えてですね、
パジャマを着て、寝室に入りますと、
僕の布団が敷いてあるわけですが、
それがこんな具合になってるんです。 |
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客席 |
(どよめくような笑い) |
山下 |
‥‥よくできた妻でして、
毎晩こうしておいてくれるんですよ。
‥‥あの、会場の奥様方、これをぜひ
ご主人の布団にやってみてください。
悪いことはひとつもありませんから。
きっと怒られないと思います。
「なあんだよも~(笑)」とか言いながら
かなりよろこぶと思うんです。 |
杉浦 |
悪いことじゃないですよね(笑)。 |
山下 |
はい。先日は一緒にドライブに行きました。 |
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山下 |
大自然とマー坊。 |
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杉浦 |
大切にしてもらってて、うれしいです。 |
山下 |
取材で熊本に行ったのですが
そのときも連れていったんですよ。
こちらは旅館のお布団です。 |
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杉浦 |
(笑)これ、ひとりでやったんですか? |
山下 |
はい、取材の疲れもふっとびます。
‥‥ほんと、悪いことはひとつもないので、
ぜひ、ぬいぐるみと寝てみてください。
おとなの、とくに男性におすすめです。 |
杉浦 |
さとしさんの、おすすめですね(笑)。 |
山下 |
はい。僕のぬいぐるみは以上です。
次の部門は‥‥こちらですね。 |
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山下 |
では、杉浦さんのから見せていただけますか。 |
杉浦 |
はい。(バッグから出す)これと、これと、
それからこれと‥‥。 |
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山下 |
あ、これは物が入れられるこけしですね。 |
杉浦 |
ええ、台所に置いてブラシを入れたり
花瓶にしたり。かわいいんですよ、
こけしの頭にお花が咲いてる様子が(笑)。
‥‥あとこれと(バッグから出す)、これと、
それからこれと‥‥。 |
山下 |
ずいぶんたくさん‥‥あ、こちらは。 |
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杉浦 |
伝統こけしです。
他にもおみやげこけしと創作こけし
という種類があるんですが、
私はこの伝統こけしが好きで。
両親の新婚旅行のおみやげもあるんですよ。 |
山下 |
ああ、それはたからものですねえ‥‥。
(しげしげ眺め)かわいいなあ。
いやあ、いいです、伝統こけし。
最初はかわいさがわからなかったのですが
ほぼ日の取材がきっかけで目覚めたんです。
こけしは、じつは、カワイイんですよね。 |
杉浦 |
はい。
ええと、私のこけしは以上です。 |
山下 |
あ、ありがとうございました。
‥‥‥‥‥‥それでは、僕のこけしを。
‥‥え、越後湯沢に行く機会がありまして、
生まれてはじめて大きなこけしを買いました。
いい雰囲気の創作こけしを見つけたのです。
そのこけしは、福田利之さんというかたに
プレゼントいたしました。
写真絵の取材でお世話になった、
フォト絵でおなじみの福田さんです。
東京への引っ越しのお祝いを、
僕が選んでみんなでプレゼントしたのです。
僕が紹介したいのは、そのこけしです。
で、ですね、みなさん、
きょうはなんと、福田利之さんが、
そのこけしを持って、この会場に
来てくださっている‥‥はずなのですが
遅刻しております! |
そうだったのです。
サプライズゲストは福田さんだったのですが、
すこし前に福田さんから連絡があったのです。
「事務所の鍵が見つかりません!」と。
みなさんをサプライズさせるつもりが
僕らがサプライズさせられてしまいました。
しかも福田さんのこけしは、後半の進行で
重要なポイントとなる構成になっています。
こ、このままでは‥‥。
野田さんの流す、あぶら汗が見て取れます。
山下は明らかにそわそわしはじめています。
杉浦さんはわりと平然となさっています。
とにかく、それでも催しは進めなければ。
お客様に事情を正直に告げました。
あとはただ、親友の到着を信じるのみです! |
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山下 |
‥‥ですので、僕からのこけし紹介は
福田さんがもしも間に合ったらということに
させていただきまして、とりあえずは、
次の部門に進ませていただきたいと思います。 |
杉浦 |
間に合うといいですね。 |
山下 |
は、はい、大丈夫です。きっと来ます‥‥。
では、最後の部門はこちらです。 |
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山下 |
あえてテーマを決めず選んできたものを。
まずは、杉浦さんからですね。 |
杉浦 |
はい。 |
山下 |
こちら、画像の準備があったので
僕は拝見しているのですが‥‥すごいです。
画像、見てみましょうね。 |
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客席 |
わぁぁぁ‥‥。 |
山下 |
ねえ、もう、かわいいですよね。 |
杉浦 |
実家で飼っていた犬で、
名前はももちゃんです。 |
山下 |
マルチーズ。 |
杉浦 |
ええ。この子が表情豊かな子で‥‥。
15歳で去年亡くなってしまったんですが、
私はもものブス顔写真を大事に持ってて、
つらいことがあったりすると見てるんですよ。 |
山下 |
そうですか‥‥。 |
杉浦 |
いつも母が毛をカットしてたんですが、
カットをさぼるとすぐ四角くなるんです。
こんなふうに。 |
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山下 |
四角いですねえ(笑)。直方体です。 |
杉浦 |
一度だけトリマーさんにカットしてもらった
ことがあるんですが、こうなりました。 |
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客席 |
(大きな笑い) |
山下 |
細っ!(笑) |
杉浦 |
あと、麗子像もあります。 |
山下 |
ああ、麗子像、岸田劉生の。 |
杉浦 |
これです。 |
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客席 |
(大きな笑い) |
杉浦 |
次のが最後ですね、
うちの父がももをかわいがってる様子。 |
山下 |
すごい一枚ですよね、次のは。
僕的にはもう、大好物な写真です。
みなさん、ご期待ください。 |
杉浦 |
これなんですけど。 |
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客席 |
(大爆笑) |
山下 |
(笑)すっごいなー。 |
杉浦 |
父は毎晩噛んでました。 |
山下 |
毎晩! ‥‥いやあ、あれですね、
ペットがいる家庭のおとうさんは、
みんなムツゴロウさんになるんですね。 |
杉浦 |
(笑)ねえ。
ももちゃんの写真は、以上です。 |
山下 |
ありがとうございました。
‥‥じつは、僕も動物にしました。
最前からここに、布をかけた箱があるので
すでにみなさんお気づきかと思いますが、
僕はやはりこれなのですね(スクリーン)。 |
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杉浦 |
うさぎ。 |
山下 |
はい、ロップイヤーのパンクです。
さあ、パンクが渋谷の街に飛び出しますよー。 |
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山下 |
よいしょっと(布をとる)。 |
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客席 |
わぁぁぁ‥‥。 |
杉浦 |
きょとんとしてますね。 |
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山下 |
何が何やらわからないのでしょう(笑)。 |
と、その時でした。
やわらかな空気に包まれた会場に、
ドアを開ける大きな音が響き渡ります。
ぜんいんの目が、いっせいにそちらへ。
廊下の照明を背に受け、男が立っています。
荒れた呼吸で大きく上下する、いかり肩。
そして、その手に握りしめられているのは、
こけしです、大きなこけしです。 |
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山下 |
みなさん、ご紹介します!
イラストレータの福田利之さんです! |
客席 |
わーーー!(われんばかりの拍手と爆笑) |
福田 |
‥‥す、すみません、鍵が、鍵があ‥‥。 |
山下 |
ありがとうございます福田さん、大丈夫です。
それより、ぜひ、ご挨拶をお願いします。 |
福田 |
‥‥‥‥え?(一瞬で緊張) |
山下 |
なにかひとこと。 |
福田 |
‥‥‥‥え‥‥。う、うさぶろう。 |
山下 |
あ、卯三郎はそのこけしの名前ですね。
どうですか? 卯三郎は。 |
福田 |
‥‥‥はい、ええと‥‥え? |
山下 |
あ、ありがとうございます。
どうぞゆっくりたのしんでいってください。 |
よかったです。
信じていれば友だちはきっと来るのです!
これで、催しは無事進められることに。
「対決コーナー」が終わってから、
「動眼コーナー」でまた盛り上がると、
僕と杉浦さんそれぞれの視点での
「ほのぼのお花見レポート」などもご紹介。
各ポイントで卯三郎が話題にあがりました。
ほんとに、間に合ってよかったです。
こうして質疑応答を経て、
催しは無事エンディングになりました。
最後に、慌ただしい会場で撮影できなかった
卯三郎の画像をどうぞ。
福田さんの仕事場での卯三郎。
ちなみに卯三郎の命名は、
ほぼ日のシェフ武井さんです。 |
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