正解、食べられません!
カヤタケ毒

阿寒湖は北海道内でも有数の観光地なので、
夏休み期間中は、さわやかな涼しさや、
圧倒的なまでの大自然を求めて、
たくさんの観光客がやってきます。
もちろん、いわゆる、インバウンドの方々も。

特に、お盆前の週末からお盆にかけては、
日本中の休日が集中するためか、
1年でもいちばん賑わう時期です。

今年2024年8月の阿寒湖のお天気は、
晴天が続き、かつ、最高気温が23度前後!
いかにも北海道!という日々。
熱波に苦しむ関東、関西から訪れた観光客は、
そのあまりの快適さに涙していました。

晴れた日の真昼に阿寒湖温泉街を歩けば、
そこそこ暑いに決まってますが、街をちょっと離れ、
森の中へ一歩踏み出せば、そこは、別世界。
気温的には、街より、2〜3度は低いかと。
吸血昆虫には、多少イライラしますが……。

夏もそろそろ終焉を迎えつつある今の時期は、
夏のきのこはもちろん、秋のきのこも姿を現し、
ひと雨ごとに、きのこの種類がみるみる増加。
雨の日こそ、いい天気、と言いたくなります。
そう、きのこ雨、というやつです。

連日のカヌーガイドの手伝いついでに、
ほぼ手付かずに近い湖岸の森に上陸して、
短い時間ではあるものの、きのこを探すのが、
もう、楽しくて、楽しくて。

前日まで何も生えてなかったポイントに、
おお、久しぶりの、カヤタケ発見!

カヤタケは、主に秋に、
種々の林内の落葉の間から発生します。

傘は径4〜8cm。
幼時から傘の中央部はくぼみ、
成長するとじょうご形になります。
表面は肌色〜淡赤褐色で、中央付近に細かい鱗片が。

ヒダは、白色で、幅狭く、密。
柄に向かって長く伸びています。

柄は高さ3〜5cm。
傘よりも淡い色で、
基部は白色菌糸に覆われています。

他の多くの図鑑が食用、しかも、おいしい、
と記載しているのですが、ここでは、あえて、
毒を持っているので要注意、と申し上げたい。
『日本の毒きのこ」(学研)によれば、
毒成分のムスカリン類が検出されており、
発汗、流涎、血圧低下などの中毒症状が出る可能性が。
君子危うきに近寄らず、です。

しかし、きのこを見ると、
人はどうして食毒が気になるのでしょう?

水族館に行ったり、動物園に行ったりして、
展示を見て、おいしそう! とか思う人は、
あまりいないのではないかと……(笑)。

ぼくが写真展をすると、必ず、
「写真のきのこの食毒を記載して欲しかった」
という意見をいただくのですが、
何というか、まあ、困ったものです、はい。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。