不正解、食べられます!
ホシアンズタケ食

阿寒湖、と言えば、マリモ!
マリモは、小さな糸状の繊維(糸状体)からなる、
淡水性の緑藻の一種で、球状の集合体をつくるほか、
綿状の浮遊型、石や岩などにつく着生型もあります。

つまり、我々が「マリモ」と聞いて思い浮かべる、
水中にある球状の緑色のものは、正確に言うなら、
たくさんのマリモが集まってできた集合体!
世の中には丸くならないマリモも多々あるんです。

阿寒湖のマリモは、大きく美しい球型になるので、
国の特別天然記念物に指定され、その生息地は、
国立公園の中でも、最も規制が厳しい特別保護地区!
自生している天然のマリモがどれほど見たくても、
一般人は、基本的に、近づくことすらできません。

ところが!
年に1度だけ、天然マリモの生息地を訪れ、
正真正銘、本物のマリモに触れる機会があるんです。
それが、昭和25年に始まった、マリモ祭り。
毎年10月8日〜10日に開催されています。
で、その開催初日である10月8日に、
座学でマリモの最新の研究成果を聞きいたあと、
生息地で本物のマリモの観察会が行われるんです。
(人数限定なので参加競争率高し!)

専門家の話を聞くに、マリモは、
このところ、どんどん数を減らしているのだとか。
地球温暖化による水温上昇に加えて、
湖水がきれいになった故の、水草の繁茂で、
マリモの光合成を妨害したり動きに制約を加えたりして、
生育を妨げているんです。

今回ご紹介するホシアンズタケも、
どんどん数を減らしているのではないか、
と、危惧しています。

そもそも、ホシアンズタケは、寒冷地を好むきのこで、
最初は、北海道でしか確認されてなかったのですが、
その後、青森県、長野県、栃木県で発見されました。

ここ阿寒湖周辺の森では、以前は、
夏と秋の2回、ハルニレやオヒョウといった、
広葉樹の倒木や枯木に群生して発生してました。
ここ数年は、傘の径が1cm前後の小さな個体を、
年に1度、見かけるかどうか。

本当に美しく、絵になるきのこだけに、
ぜひ復活してほしいものです。

傘はまんじゅう形から平らに開き、径は1〜8cm。
表面は幼時ピンク色のち橙肉色、または干した杏色。
中央部に網目模様がみられます。

ヒダは傘と同色で、やや密集しています。

柄は高さ3.5〜10cmで、
帯白色のち肉色、多少中心からずれて伸びています。
ところどころに、ワイン色した雫を付着させます。

食。

しかしながら、見つけても採集はせず、
ぜひぜひ見守っていただきたく存じます。

地球温暖化は確実に進んでいます。
他人事ではなく、自分の問題としていろいろ考え、
微力でも、対策になるようなことを、進めていけたら、
と、日々、きのこを見ながら、そう思っています。

読者の皆さまも、ぜひ、行動を。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。