小林 |
「なあ、北小岩。
ここにいる三人は、
バレンタインデーのダークサイドを
知り尽くした侍たちや。
後学のために、
よ〜く話を聞いとくこっちゃな」 |
北小岩 |
「かしこまりました」
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モテない男A |
「北小岩さんは、
暗黒のバレンタインデーのことは
ご存知ですか」 |
北小岩 |
「いえ、存じませんが」 |
モテない男B |
「私たちはそれを、
ブラックバレンタインと
呼んでいます。
ブラックバレンタインも
バレンタインデーと同じ日なんです」 |
モテない男C |
「でもね、その贈り物は
2月14日の丑三つ時に
届くんですよ。
深夜のうちに、
今まで付き合っていた男に
屈辱的なプレゼントを贈って
清算する。
そして夜が開けたら、
新しく惚れた男に
愛を告白するんです」 |
北小岩 |
「初耳です。
いったいどのようなものが
送られて来るのですか」 |
モテない男A |
「私の場合は『10秒砂時計』でした。
『この意味は、
あんたの粗チンに
手を当てて考えな!』
とのメッセージが
添えられていました。
早漏を知らしめ
三行半を突きつけたのですね。
『10秒砂時計』を引っくり返し、
あまりの短さに愕然とし、
3ヶ月間、
インポになってしまいました。
その間に彼女は新しい男と
関係を結んでしまい・・・」 |
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北小岩 |
「そっ、それは酷すぎます!」 |
モテない男B |
「私は一枚の写真でした。
私のモノと同じ大きさにつくった
木彫りのちんちんが写っていました。
立てた木彫りの横には、
ハイライトの箱が
並べてあって・・・」 |
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北小岩 |
「それは短小の方には致命的です!」 |
モテない男C |
「だけどAさんとBさんは
女に捨てられたとはいえ、
まだまだ幸せですよ。
私なんかほどよい穴の開いた
コンニャクが送られてきたんです」 |
北小岩 |
「コンニャクなら
OKじゃないですか?」 |
モテない男C |
「それがコンニャクの穴に沿って、
カミソリの刃が
セットされていたのです」 |
北小岩 |
「なんと!
もし誤って
それを使用してしまったら、
目の中に入れても痛くないムスコが
ざっくりといかれてしまいます!!
だいじょぶでしたか?」 |
モテない男C |
「だいじょぶじゃありませんでした」 |
北小岩 |
「ふ〜。ぶるぶるぶるぶる。
ブラックバレンタインの恐ろしさが
よくわかりました。
わたくし、
今年は事なきを得ましたが、
来年からは恐怖です!」 |
小林 |
「まあ、
バレンタインデーのチョコレートが
愛の贈り物ならば、
ブラックバレンタインは
憎悪の贈り物やな。
実は俺も
ブラックバレンタインにな・・・」 |