小林秀雄のあはれといふこと |
しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。 小林先生が眉間にシワを寄せて 書物を睥睨しているのを見て、 弟子の北小岩くんが思わず声をあげた。 「いやな、この本に 女性がガーターベルト姿で載っているんやが、 堂々として実に気持ちええ。 女性用下着には穴つきパンティという飛び道具もある。 どちらも男を圧倒する強い意思が感じられるわな。 それにひきかえ男の下着はブリーフにトランクスや。 あまりに意志薄弱でだらしないと思ってな」 「確かにそうですね。 わたくしも縞々のトランクスをはいておりますが、 何か深い考えがあってのことではありません。 惰性で身に付けているだけです」 「そうやろ。 これは日本男児として憂うべき問題や。 何とかせねばあかんな」 小林先生と弟子の北小岩くんは、 男の下着の惨状を救うべくとある下着ショップを訪れた。 看板には『特別男性下着 ブラブラ本舗』と書かれている。 この店にはパンツさんと呼ばれる 下着のスペシャリストがいるのだ。
先生が履いてしまったものは『パンツボム』と呼ばれ、 金玉爆弾が装備されているのだった。 「もう、金玉はいらない」。 そのように決意した男が 自分の金玉を自爆させる時に使う悲しいブリーフなのだ。 それを店主から聞かされた先生は 恐ろしさのあまり失禁した。 だが、そのおかげで火薬が湿り爆発を免れた。 自分の実力以上に己のものを誇示しようとし、 すぐに墓穴を掘る小林先生が義玉になる日も そう遠くはないだろう。 |
2002-09-01-SUN
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