北小岩 |
「先生、大変です!!」 |
弟子の北小岩くんが庭を掃除していると、
内股で歩いてきた男が突然門前で倒れたのだ。
書斎で団鬼六著「お柳情炎」を
熟読していた小林先生が、
股間をふくらませながら駆けつけた。 |
小林 |
「どうしたんや!
あっ、これは細竿はんやないか!!」 |
先生は倒れている男を抱きかかえて家に上がると
布団に寝かせた。
男はなぜか風呂敷を背負っている。 |
小林 |
「あんなに恰幅のよかった細竿はんが、
こんなにげっそりやせ細ってしまったとは。
きっと細竿はんの身に
恐るべき災厄がふりかかったに違いない。
なにせこの風呂敷に入っているのは、
命よりも大切にしていたエロ本やからな」 |
細竿譲(ほそざおゆずる)氏は
小林先生の古くからの友人である。
先生行きつけのエロ本屋で
何度も顔を会わせるうちに仲よくなり、
自慢のエロ本を貸し借りしながら
親交を深めてきたのだ。 |
細竿 |
「はっ、ここは?
あれ、小林先生じゃないですか」 |
小林 |
「気がついたか。
細竿はんは家の前で倒れてしまったんや。
いったい何があったんか?」 |
細竿 |
「私はもうおしまいです。
ですから宝物のエロ本を
先生に差し上げるためにやって来たのです」 |
小林 |
「細竿はん。
どんなにつらい目にあったのか、
話してくれへんか」 |
細竿 |
「・・・はい。
実は私、いとこの連帯保証チンに
なってしまったのです」 |
北小岩 |
「何ですか?
連帯保証チンというのは?」 |
小林 |
「それはな、この世で最も危険な
ちんちんの保証人のことや」 |
細竿 |
「いとこは性豪なので、
性欲の人一倍強い女と
結婚したいと願っていました。
ぴったりの相手を見つけ
プロポーズしたところ、
女は条件付きで了承しました。
それは1日3回のノルマというものでした。
女はさる者で、
いとこがアウトになった時に
備え連帯保証チンをつけることを
忘れませんでした。
私はいとこに懇願されて・・・」 |
小林 |
「契約書にチン鑑を押してしまったんやな」 |
|
細竿 |
「私が幼い頃から弟のように
可愛がってくれていたのです。
それに1日5回OKの
タフネスと聞いていたので
つい大丈夫だと思い・・・」 |
小林 |
「北小岩には後学のために解説しておく。
チン鑑はちんちんに
朱肉をつけて押すんやが、
契約が成立したら絶対の力を持つ。
このケースでは
いとこが1日3回
コトに及べなくなった時には、
替わりにチン鑑を押した者が
一生代行し続けなければならんということや」 |
北小岩 |
「なんと!」 |
細竿 |
「いとこは結婚後快調なペースで
飛ばしていましたが、それも半年でした。
1年たたないうちに
不能になってしまったのです。
女は契約書を手に
私の家に押しかけてきました。
私も決死の覚悟で1日3回励みました。
でも3日が限度でした」 |
北小岩 |
「細竿さんの好みのタイプだったのですか?」 |
細竿 |
「いえ。
好みとか好みじゃないとか
そんなレベルではありませんでした。
運慶の金剛力士像を女にして
ぶくぶくに太らせた図を想像してください。
そのうえ万力(まんりき)が
とんでもなく強く、
最後の一滴まで搾り出されてしまうのです」 |
小林 |
「よく3日も持ったな。
たいしたもんやで。
それからどないしたんや?」 |
細竿 |
「あまりの苦痛に耐え切れず、
ついにサラちんに手を出してしまいました」 |
小林 |
「サラリーマンちん融で、
ちんちんの補強融資を
受けてしまったんかい」 |
細竿 |
「はい。
それでも追いつきませんでした。
最初のサラちんに返済するため
他のサラちんから借り、
後は雪だるま式に。
しまいにどこからも
借りれなくなってしまいました」 |
小林 |
「とはいえ闇チンには
手を出してないんやろな」 |
細竿 |
「・・・」 |
小林 |
「細竿はん・・・」 |
細竿 |
「藁にもすがる思いで、
闇チン融からおちんちんを
10本借りてしまいした。
闇チンの利子はト・イチでした。
十日で一割私のおちんちんが
けずりとられてしまうのです。
しまいにおちんちんは
跡形もなくなってしまいました」 |
|
北小岩 |
「だから細竿さんは
あのような内股で歩いていたのですか」 |
細竿 |
「はい。
おちんちんを失ったことで
女からは解放されましたが、
エロ本も必要なくなってしまいました。
そこで先生にもらっていただきたく
参上したところ、
貧血で倒れてしまったのです。
貧血というよりは、
チン欠と言ったほうが
正しいかもしれませんがね・・・」 |