小林 |
「ない!
命と等しく大切にしとった
トレーシー・ローズはんの
裏ビデオ全10巻を盗まれた!!」 |
北小岩 |
「先生ご愛用の裏本も
すべて持ち去られています!
警察に通報いたしましょうか?」 |
小林 |
「まあ待て。
金銭などには手をつけられとらん。
もっとも家には69円しかなかったがな。
盗まれたものは
どちらかといえば非合法なものばかりや。
ここはぐっとこらえるしかなさそうやな」 |
北小岩 |
「それにしても悔しいですね」 |
小林 |
「これからは
しっかりガードを固めなあかんな。
強力な防犯態勢をしいて、
泥棒どもにひと泡吹かせたろ」 |
先生と北小岩くんは、
町はずれにある防犯用品店
「チンガード」の暖簾をくぐった。
ここには泥棒に知られていない最新防犯グッズが
陳列されているのだ。 |
小林 |
「家の錠がピッキングされて
宝物を盗まれてしもうたんや。
泥棒の野郎が腰抜かすような
強力なグッズはないかいな」 |
チンガード店主 |
「それは災難でしたね。
ウチは世界広しといえども
ここにしかない用品を
いくつも取り揃えております。
こちらはいかがでしょうか」 |
小林 |
「防犯カメラやな」 |
チン
ガード
店主 |
「違います。
カメラの形をしておりますが
映写機なのです。
犯人が近づくと
壁にブルーフィルムが上映される
仕掛けとなっております。
犯人が鑑賞し終わった頃には
すっかり犯罪意欲を失ってしまいます」 |
|
北小岩 |
「やや心もとない気がいたしますね。
他にはいかがですか」 |
チン
ガード
店主 |
「防犯用オルガスムスブザーはいかがですか。
窓ガラスに
処女膜状の薄いフィルムを貼ります。
それが破られると
100ホーンの超大音量で
女性のあえぎ声が流れます。
声は2種類。
外人バージョンが
『オーイェイ! アイムカミング!!』
の繰り返し、
日本人バージョンが
『イク!イク!!
ああ、いっぱい出して!!!』
になっております。
近頃は近隣の無関心化が進んでおり、
普通の警報ブザーでは
注目してくれませんが、
これならばっちりです!」 |
小林 |
「なるほどな。
だが今回は
ピッキングにしてやられたわけやから、
強烈な錠がほしいわな」 |
店主はうなずくと、
店の奥から色っぽい女性の顔がついた
不思議なものを出してきた。 |
チン
ガード
店主 |
「これは見かけはセクシーですが、
『チン実の口』という
大変恐ろしい錠なのです。
ローマの休日に登場した
真実の口をヒントに作られました。
この口におちんちんを登録します。
登録された男が挿入し
ピストン運動を行なうと開錠します。
ですが、もしそれ以外の人が
おちんちんを入れると、
鋭い歯でイチモツが
食いちぎられてしまうのです。
どんなに腕のいい泥棒も、
これを破ることは不可能です」 |
先生と北小岩くんは思わず息を飲んだ。 |
小林 |
「うむ。これぞ世界最強の錠やな。
ひとつもらおうか」 |
チンガード店主 |
「マンどあり〜〜〜〜」 |
翌日店主は先生宅を訪れ、
チン実の口を表玄関に取り付け帰っていった。
先生は満面に笑みを浮かべている。 |
小林 |
「これで泥棒どももお手上げやろ。
無理にちんちんを入れて
こじ開けようとしたが最後、
己自身を失うことになるんやからな。
そや、一度試しておかなあかんな」 |
先生はちんちんを登録しチン実の口を作動させた。
ズボンとパンツを同時に下ろすと
イチモツをこじ入れ行きつ戻りつ。
思いの他気持ちがいい。カリッ。
しばらくすると錠の開く音がした。 |
小林 |
「えっ、ええやないか!」 |
小林先生が恍惚の表情を浮かべたその時だった。
通行人から
「ワイセツな泥棒がいる」との通報で
急行した警官に両腕をつかまれた。 |
警官 |
「そこで何をしているんだ」 |
小林 |
「自宅の錠を開けとるんですわ」 |
警官 |
「ウソつけ。
なぜ錠を開けるのに
性器を露出する必要があるんだ。
その粗末なものが鍵とでも言うつもりか。
署まで来てもらおうか」 |