北小岩 |
「大型の台風ですね。
んっ?何か変なものが見えます。
あれは台風の目ですか?」 |
小林 |
「甘いな、北小岩。
目ん玉ひんむいてみい。
あれが目の形に見えるか」 |
北小岩 |
「もしかすると・・・」 |
小林 |
「そうや。
あそこで怪しくうごめいておるのは、
台風の目などより
万倍恐ろしい『台風のあそこ』や!」 |
「台風の目」はその名に似合わず穏やかだ。
しかし、それと比較にならない脅威を誇るのが
『台風のあそこ』なのである。
世界各地で男の精気を吸い取って拡大する性悪な存在だ。 |
小林 |
「台風が来たら無用な外出は厳禁やが、
男たちがついふらふらと
戸外に誘い出されてしまっとるやろ。
それではあやつの思う壺や。
あそこの中心は気圧がとんでもなく低く、
かなり濡れている。
強烈な風と共に
フェロモン(エロモン)を出すために、
男は夢遊病者のように近づいてしまうが、
それが命取りなんや」 |
充血した秘所はモスラの羽のように
大陰唇をばさばさと動かし、風速を上げていく。 |
北小岩 |
「わたくしの友だちが
海に遊びに出かけております。
こんな暴風では波が高くなってしまいますが、
大丈夫でしょうか?」 |
小林 |
「それはまずいで。
今すぐ電話して忠告せい!」 |
北小岩くんは血相を変えて携帯をプッシュした。 |
北小岩 |
「<もしもし。犬山くんですか。
そちらに『台風のあそこ』の影響が
出そうなのですがいかがですか。
なるほど、わかりました。>
先生、犬山くんたちは
危険がないように土手の高い方へ
避難しているそうです」 |
|
小林 |
「あかん!!
土手の高いところといえば、
土手高(どてだか)やないか。
あやつと土手高はぐるや。
大陰唇の羽ばたきと潮吹きによって
高潮をおこされ、
ぱっくり割れた土手の下に
流し込まれイチコロや!」 |
北小岩 |
「すぐに知らせます!あっ!!」 |
ガラガラヌレヌレドドーーーーン!!!
北小岩くんが危急の存亡にある友へ
リダイヤルしようとした刹那、強烈な落雷があった。
秘所の奥深くから放たれた雷は、
途中でいくつもに分かれ、男の股間に向かった。 |
北小岩 |
「たくさんの男の人のおちんちんを避雷針にして、
雷が落ちました!
男の人たちは、
残らず昇天させられた模様です!!」 |
北小岩くんは携帯のアンテナを伸ばしていたために、
雷が間違えてそこに落ち難を免れた。
小林先生のおちんちんはあまりに小さかったために、
雷が素通りし命拾いした。
男の避雷針をむさぼった秘所は成熟し、
その後ダムに向かった。
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小林 |
「あかん。
雷がほどよい愛撫になり
濡れすぎてしまったために、
ダムをビデがわりにして洗うつもりや。
ダムに愛液をぶち込まれたら最後、
水がにごってしまう。
愛液は決してうまいもんやないから、
水が飲めなくなるで!」 |
その時だった。
東の空から『男の台風のあそこ』がやって来た。
そのイチモツは、女の台風を見ると形を変えた。
雲をもっこりさせながら忍び寄っていく。
上空で結合すると、ピストン運動を始めた。
いつしか雷があえぎ声のような音になり、
ふたつの台風はビクンビクンしながら
かなたに消えていった。 |
北小岩 |
「ふう〜。何とか助かりましたね」 |
小林 |
「ああ。
だが今年はというだけの話やな。
来年がまた油断できんで」 |
北小岩 |
「と申しますと?」 |
小林 |
「『男の台風のあそこ』と『女の台風のあそこ』は、
気持ちのええことしとったやろ。
あの様子では妊娠するに違いない。
ということは、十月十日後に
また台風の子供が生まれてくるというこっちゃ」 |