北小岩 |
「実はわたくし、
スローライフという生き方に
感銘いたしました。
ですから、もっと生活全般を
スローにしていこうと
心がけているのです。
そのような視点で見ますと、
庭のあはれ蚊さんには
見習うべき点がとても多いのです」 |
小林 |
「そうか。
お前は今でもすべてにおいて
ゆっくりすぎると思うが、
いっそのこと徹底するのも
ええかもしれんな。
俺の師匠の友人で、田舎にこもって
本物のスローライフを
実践している方がおる。
いい機会だから、
極意をうかがいに行こうか」 |
先生と北小岩くんは、各駅停車を乗り継ぎ
とある山のふもとに庵を結ぶ男を訪ねた。 |
小林 |
「ごぶさたしております。
最後にお会いしてから、
かれこれ10年になりますね。
北小岩、こちらが達観者の
遅久角男(おそくかくお)さんや」 |
北小岩 |
「始めまして。
北小岩と申します。
わたしく、生まれつき
スローモーなこともあり、
これからの人生一切欲をかかずに
スローライフで行こうと思っております。
遅久さんはスローライフを
突き詰めていらっしゃる方と
うかがっておりますが、
どのような生活をされているのですか?」 |
遅久 |
「僕は下半身のスローライフを
メインにしています。
ちなみに小林くんと以前会った時から、
一度しか発射していないんです」 |
北小岩 |
「と申しますと?」
|
小林 |
「つまりな、遅久はんは
何年もかけて
ゆっくりゆっく〜〜〜〜〜〜〜〜〜りと
発射に至るスローオナニーの実践者なんや。
何でも1回フィニッシュを迎えるために
8年かけるそうや」 |
北小岩 |
「なんと!」
|
遅久 |
「『いじくり3年かき8年』を
モットーにしています。
ここを大きくするのに
じっくり3年はかけますね。
スロー勃起です。
今は最新の発射から2年たってますから、
あと1年でもっこりしてくるでしょう」 |
そういえば遅久氏は
先ほどからパンツの中に手を入れたままである。
3年間微かな刺激を与え続けるのである。
それから絶頂までさらに5年を費やすのだ。
話によるとエロ本も
1年で3ページしか進めないという。
|
北小岩 |
「恐れ入りました!
でも、それだけの長い時間をかけていると
退屈しませんか?」 |
遅久 |
「僕ぐらいの玄人になると、
ただもてあそんでいるだけではなく、
途中で俳句を詠んだりしています。
一句いきましょうか」
氏は局部をいじる手を休めずに、
陰毛で作った筆でさらさらと書きあげた。
「如意棒や 奥よりかほる 栗の花」角男
(訳・親愛なるおちんちんさん。
睾丸の奥の方から
「地中のセミでさえ7年の辛抱なのに、
なぜ私はそれより1年も長く
耐え忍ばねばならないのですか」
と栗の花の香りが漂い、
私の心を締めつける夕暮れ時よ) |
北小岩 |
「なんて風流な句なのでしょうか」 |
小林 |
「それだけやないで。
遅久はんは
如意棒のさらなる有効利用を考えとるんや」 |
遅久 |
「そうなんですよ。
8年間イチモツを握り締めていると、
そこが湿り気を帯びてきて、
適度な温度が保たれるんです。
ですからイチモツを原木として
椎茸栽培を始めました」 |
|
小林 |
「陰部周辺を雑木林ととらえる発想やな。
ちんちんでもよく育つ
種菌の改良にもいそしんでおられる。
北小岩もしばらく
遅久はんのお宅にお邪魔になり、
独自のスローライフを確立したらどうや」 |
遅久 |
「おお、それはよいですなあ」
|