小林 |
「どないしたんや、涎が垂れとるで。
どこかに穴つきパンティーでも
干してあるんかいな」 |
北小岩 |
「流れ星をたくさん見たので、
世界が平和になりますようにと
お願いしていたのです。
それにしても不思議です。
流星群が近づいているというお話は
聞いていないのですが」 |
小林 |
「ははあ、なるほど。
お前が目にしたのは流れ星やないな」 |
翌朝、割り切れない表情の北小岩くんは、
先生に連れられ川崎区堀之内にある公共機関を訪ねた。
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小林 |
「こちらが『日本航空宇宙局部』、
略してJASA(じゃさ)の
局部長をしておられる
宙万毛伸夫(ちゅうまんげのびお)氏や」 |
北小岩 |
「航空宇宙局ならわかりますが、
宇宙局部というのはいかがなものですか?」 |
宙万毛 |
「宇宙には実に様々な局面があるのです。
私たちはその中で
最も重要な局部を扱っております」 |
北小岩 |
「そうでしたか。
実は宇宙のことで
とても気になることがございます。
近頃尋常でない数の
流れ星を見かけるのですが、
異変が起きているのでしょうか?」 |
宙万毛 |
「それは流れ星でなく、人工衛星ですね」 |
北小岩 |
「と申しますと?」 |
宙万毛 |
「今、世界各国が
秘密裏に進めているのが
人工衛星兵器の拡充です。
宇宙からエッチな電波を他国に送りつけ、
いかに自国が
エロのパラダイスかを知らしめ
主導権を握ろうとしているのです」 |
小林 |
「そうや。
発信された電波は
男のイチモツをアンテナにして、
知らず知らずのうちに
睾丸に記憶させられてしまうんや。
他国のほうが
気持ちのええエロがあると分かったら、
男たちはその国に
シンパシーを感じ憧憬を抱くやろ。
そこが狙い目や。
特に己の手で屹立させた
さみしげなイチモツが
つけこまれやすいんや!」 |
北小岩 |
「そっ、そうなのですか。
わたくしこれから自分で慰める時には、
避雷針をつけて
電波を土に逃がしたいと思います」 |
小林 |
「避雷針では無理やな。
ところで宙万毛はん、
どこの国の衛星が多いんやろか?」 |
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宙万毛 |
「ソ連が崩壊するまでは、
アメリカとソ連の2大エロ大国が
ずば抜けていましたね」 |
北小岩 |
「アメリカのエロ電波の方が
ポピュラリティーがありましたか?」 |
宙万毛 |
「そこが微妙なのです。
アメリカのエロは
スポーツに近い感覚です。
しかし、エロが抑圧されていた
共産圏のものは
異様に濃縮されたエネルギーがあり、
通な人気を誇っていました」 |
小林 |
「まあ、ソ連が崩壊してからは
混沌としてしまったんやがな。
近頃ではアジアの台頭が目覚しいで。
どの国もよそのエロには躍起になっておる。
エロ観測衛星やエッチスパイ衛星の攻防も
激しい。
日本も観測衛星『尺八』を打ち上げ、
オーロラを観測するふりをして
海外のオーラルセックスについて
調べていたりする。
静止衛星『イレテルサット』で、
他国のものを
金属性コンドームで覆ってしまう試みも
さかんや。
また、誘惑衛星『ヤマト赤貝』で
色仕掛けにし、
合体させて一緒に大気圏に突入させ
燃やしてしまう妨害行動にも出ておる。
昨今、流れ星が多いのはそのせいや」 |
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宙万毛 |
「各国思惑はありますが、
それぞれの国が
協力して運営している衛星もあるのです。
『ウタマロミール』がそうです。
その電波は宇宙に向けて発信されています。
地球の男のイチモツは
平均3000メートルあるとの
インチキ情報を流し、
宇宙人の侵略を防いでいるのです」 |
北小岩 |
「なるほど。
いくら宇宙人とはいえ、
おちんちんが3キロもある方は
いらっしゃいませんから、
どんなイチモツ自慢でも
侵略を諦めますね。
今までの戦争とは
形態を変えた目に見えない情報戦争が
繰り広げられているのですね。
とてもためになりました」
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