北小岩 |
「先生、どうなさいましたか!あれ?」 |
書斎から奇怪な声が上がったので、
弟子の北小岩くんがふすまを開け放つと、
先生と客人が将棋盤を挟んでのけぞっているのであった。 |
北小岩 |
「将棋を指されていたのですか。
不思議です。
今の声は何だったのでしょうか?」 |
小林 |
「おお、北小岩。
これから将棋の歴史が変わるで!!」 |
北小岩 |
「と申しますと」 |
小林 |
「今俺たちが楽しんどるのは、
ただの将棋やない。
これぞ、電気将棋や!」 |
客人である成金葉見毛(なりきんはみげ)氏が
開発したのが、電気将棋である。
人工知能が搭載された将棋盤で、
それぞれの正面からコードが伸びている。
その先には駒形のセクシーボックスが
とりつけられており、
内部に各々のおちんちんを挿入するのである。
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小林 |
「百聞は一チンにしかずや」 |
先生にうながされ、
北小岩くんは後ろを向きパンツを下ろすと、
ボックスにイチモツをもぐり込ませた。 |
成金氏 |
「それでは北小岩さんが先手でどうぞ」 |
北小岩くんは軽快に駒を進める。
矢倉戦法が得意な彼は、
金と銀で玉を囲み美しい金矢倉をつくりあげた。 |
北小岩 |
「うっ。
タマ金がまるで
強靭な倉におさめられているかのような、
安らかな快感に包まれております」 |
小林 |
「そうなんや。
電気将棋はその時々の駒の動き、
戦況などに応じて、
局部が様々な甘美を味わえるよう
設計されておる」 |
北小岩くんは桂馬と香車を操り
相手の持ち駒を我が物としていく。 |
北小岩 |
「桂馬が暗躍すると
如意棒になめくじが這うような刺激が、
香車で突撃すると
一本気なピストン運動が展開されます」 |
頬を上気させ、
今にも昇天しそうな表情で北小岩くんがのたまう。
小林先生はそれを見て仏のような顔でうなずいている。 |
成金氏 |
「おっ、千日手だ」 |
北小岩くんの秘所を心地よいうねりが
四度行きつ戻りつし止まった。
この対局は勝負なしとなり、
先手と後手を入れかえ最初から指し直しとなった。
北小岩くんは再び金矢倉の形をとった。 |
成金氏 |
「もうその手は食いませんぞ」 |
氏は猛然と矢倉をくずしにかかった。 |
北小岩 |
「あっ、あ〜〜〜〜」 |
北小岩くんの額から脂汗が流れた。
セクシーボックスが、
タマ金を不安にさせる動きをしているのだ。 |
北小岩 |
「うお〜〜〜〜〜!
まいりました!!!」 |
金矢倉を破られたあげく王手をかけられた北小岩くんは、
玉の逃げ場を失った。
己のタマ金を圧迫され
脂汗を流し続ける北小岩くんとは対照的に、
勝利をおさめた成金氏は恍惚の表情を浮かべている。
どうやらイチモツにお楽しみウエーブが巻き起こり、
思わすイッてしまったようだ。
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北小岩 |
「ふう。
金矢倉が破られた瞬間、
ボックスにタマ袋を
引き破られそうになりました。
また、玉を取られた時には、
タマ金が爆破されるようでした」 |
小林 |
「しゃあない。
これもアメとムチや。
まあ、法悦境に誘われたければ、
これから本気で精進するこっちゃな」
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