小林 |
「なるほどな。
俺も昔は心霊写真が死ぬほど怖かった。
だが、ある研究家の話を聞いてから
幽霊にも心労が多いことがわかり、
妙に愛着が湧いてきたんや。
以後冷静に眺められるようになった。
お前ももう青年とはいえない年齢や。
そろそろ心霊写真の恐怖から
脱却せなあかんで」 |
先生は北小岩くんを連れ、
心霊研究家の霊男根抜男(れいだんこんぬきお)氏の
自宅を訪ねた。 |
霊男根 |
「ほほう。
これは世界的に有名な心霊写真ですね。
この幽霊の悲しげな表情。
思わず抱きしめたくなります。
私は霊界と通じていますから、
彼らと話ができるのですが、
いやはや向こうの世界も楽じゃない。
例えばこの写真をご覧ください」 |
北小岩 |
「むっ!!!!!」 |
旅行中のスナップであろう。
両手でピースをつくり微笑んでいる可憐な女性。
こちらに向けられた左手の人差し指と中指の間から、
堂々と屹立したちんぽの白い影がのびている。
だが、右手のピースの指間には
しなびれてうつむいた短小ちんぽが
弱々しく写っているのだ。
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霊男根 |
「これはまぎれもなく心霊写真です。
見ての通り明暗がわかれています。
女性がピースを出した瞬間に
ご立派状態にさせた幽霊は、
霊界で英雄となったのです。
しかし、醜態をさらしてしまった
もう一方は蔑まれ、
完璧なインポになってしまいました。
あの世で笑い者になったのみならず、
この世でもさらし者です。
女性は心霊写真を見て
恐怖のあまり落としてしまったのですが、
拾い上げた友だちが
片方がなさけないちんぽの
心霊であることに気づきました。
友だちは女性に知らせ、
二人は指差して冷笑したのです」 |
北小岩 |
「・・・・・・・」 |
現世の人々に様々な生業、役割があるように、
来世でもいろいろな役が割り振られているという。
写真の幽霊たちは
ピースの指の間からちんぽを出す役目だが、
中には紳士、淑女が写真を撮る時に
ちんぽを頭に載せて
ちょんまげを作らなければならない者もいる。
生真面目な幽霊は、
そんな自分のあり方に疑問を持ち悩んでしまうのだ。 |
霊男根 |
「これはエクトプラズムですが、
幽霊の骨折りも大抵ではありません。
人間の口から蒸気状のものが
出ているように見せるのですが、
この白いものは実は高温の屁なのです。
あらかじめ熱湯をお尻の穴に入れておき、
屁で湯気を外に押し出します。
危険な行為ですので、
お尻の穴に重度の火傷を負う者が
後を絶ちません」 |
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北小岩 |
「う〜む、幽霊さんも命がけなのですね」 |
霊男根 |
「そうなのです。
ポルターガイスト係などもいますが、
大変なんですよ。
イスや電気スタンド、
カップや人形などいろいろなものを投げたり、
時には箪笥や家などの
大物も揺らさなければなりません。
幽霊はインパクトはありますが、
いかんせん力がない。
筋力トレーニングをつんでいますが、
やっと動かした箪笥が自分の上に倒れてしまい、
もともと死んでいるのに
もう一度死ぬという
わけのわからないこともおきかねません」 |
私たちは心霊写真や怪奇現象に触れた時、
ただ怖がるだけですむ。
しかし、幽霊たちは
このように過酷な現実を生きているのである。
もしあなたの写真に幽霊のちんぽが写っていて、
なおかつ超短小包茎でイカ臭そうであろうとも、
決して蔑むことのないよう
心がけていただきたいものである。 |