小林 |
「どこかおでかけですか?」 |
騎乗 |
「モーターショーを覗こうと思いましてね。
そうだ、よろしければ一緒にいかがですか?」 |
1年先まで何の予定もない先生と北小岩くんは、
随行することにした。
騎乗氏の愛車はレインボーブリッジを抜け、
湾岸を上下動しながら快走してゆく。 |
小林 |
「幕張に行くのも久しぶりやなあ」 |
騎乗 |
「実は今日の目的地は幕張ではなく、
その先にある膜張なんです」 |
高速を降り襞々のトンネルをまさぐり、
屋根にコンと大書された
怪しげなドームに到着した。 |
小林 |
「俺がモーターショーに通っとった頃は
環境がテーマやったが、
近頃はだいぶ様変わりしとるんやろな」 |
騎乗 |
「ええ。
今年のテーマはずばり『昇天』ですね。
いたれり&つくせりになっております」 |
ふと北小岩くんが横に目をやると、
展示車の補助席でうら若き女性が
顔を上気させている。 |
北小岩 |
「気分が悪くなったのでしょうか?」 |
騎乗 |
「いえいえ、気持ちがよくなったのでしょう。
あのクルマは長亀頭エンジンが
搭載されています。
標準装備としては直列4気筒なのですが、
オプションとして補助席に
5本目の気筒(亀頭)が伸びるように
なっております。
特殊シリコンでできた逸品が毎秒1万回転、
女性の秘所を触れるか触れないかの
絶妙なタッチでくすぐるのです」 |
北小岩 |
「女性ならずとも、法悦なる世界ですね」 |
小林 |
「なんやこれは!
こっちのクルマのシートには
股間のあたりにけったいなものがついとるで」 |
騎乗 |
「それはですね、
クルマでHをする前と後に
汚れたイチモツを流すポコワイパーです」
|
氏が応えた刹那、
広場で2台のクルマが不可思議な動きをした。 |
小林 |
「何や、あれは!!」 |
女性が乗った車体前方には巨大な女陰が、
男性の車体からは立派な如意棒が屹立している。 |
騎乗 |
「これからの主流になる
コンセプトカーですね。
カーセックスの時代は終焉を迎え、
カーでセックスをする時代が到来するのです」 |
小林 |
「なるほど。
恋人や夫婦のセックスレスが
問題になって久しいが、
マシンでの行為が肉体での契りに
取って代わっていくんやな。
考えてみれば、人間は長い歴史の中で
本来己の体でなすべきことを
次々と機械に任せてきた。
セックスといえども、
その潮流から逃れることは至難やろな」 |
彼氏らしき男は、
巧みなハンドル捌きで如意棒の先端を
女陰にこすり付けていた。
頃合を見計り、いきり起ったモノを
スルリと奥まで挿しいれた。
「いや〜ん」。彼女の口から
濡れた喘ぎがこぼれる。
行きつ戻りつするクルマに刺激され、
先生と北小岩くんの股ぐらは
早くもテントの設営に取りかかっていた。 |
|
|