ウンコ男爵 |
「当時僕は気弱でね。
愛想つかされフラれる寸前でした。
彼女は僕を頼りないだけの
内気な糞だと思っていましたから。
別れ話を切り出された時、
意を決したのです。
『この世で誰よりも
君の匂いが好きだ!
一生臭い仲でいてください!!』
と」 |
おけつ
マスター |
「糞度胸を出しましたね。
彼女のお返事は?」 |
ウンコ男爵 |
「『私、今までいろいろな恋をしてきた。
だけどそんなに真剣に
向き合ってくれた糞、初めてよ。
私が乾燥して匂わなくなっても、
ずっと愛してね』。
応援してくれていた金バエたちも
目に涙を浮かべ、
汚物がくっついた手で
拍手してくれました」 |
おけつ
マスター |
「そうでしたか。
私なんて単純に
『ケツ婚してください!』って、
彼女の生のケツに
私の生のケツを
くっつけただけですから。
男爵のプロポーズは洒落てますね」 |
男爵の隣りに座っていた
ボーン・トゥ・ビー・ワイルドな切れ糞が語りだした。 |
切れ糞 |
「なんだかゆるいな。
俺なんか
『お前に俺以上のヤツは現れないぜ!
この赤い情熱を感じるだろ。
さあ、俺の黄土色の胸に
飛び込んでこい』。
それで彼女はイチコロさ」 |
おけつ
マスター |
「赤い情熱とは?」 |
切れ糞 |
「俺をひりだしたヤツが、
切れ痔だったのさ」 |
おけつ
マスター |
「‥‥」 |
|
おなら娘 |
「私は自分からプロポーズしたの。
おならの男の子と女の子が
出会えるなんて、
それ自体が奇跡なのよ。
出会えても一瞬で消えてしまう
儚い恋だから‥‥。
私、
『もう会えないかもしれないけど、
一緒になっていい音立ててください』
とつぶやいた。
彼は微笑んで、
そのままプ〜〜〜〜という音を残して
消えてしまった。
周りの人にはおならの音にしか
聞こえなかったと思う。
だけど私には分ったんだ。
それが彼が私にくれた
さよおならの歌だったこと。
こんな歌だった‥‥。
♪ 幸せなら屁を鳴らそ プップッ」 |
おなら娘は屁再生装置を使って
生きながらえているらしい。 |
北小岩 |
「彼女の心にだけは
彼の歌が響いていたのですね‥‥。
大便やおならに男と女がいたなんて、
わたくし今まで知りませんでした。
それにしても、
涙なくしては聞けないお話の
なんと多いことでありましょう。
うっうっうっ‥‥」 |
北小岩くんが嗚咽をもらした。
人間だけではない。
ウンコにだっておならにだって、
二人だけの愛の言葉が胸に刻まれているのだ。
それにしてもおけつマスターって、
一体どんな方なんでしょ? |