北小岩 |
「ああ、目がくしゅしゅして
まいりました。
鼻水も止まりません。
これ以上先へは進めません」 |
北小岩くん
の彼女 |
「またなの!
このところ毎回じゃないのよ。
もういいわ!!!」 |
北小岩 |
「待ってください!
もう一回チャンスを‥‥」 |
バタン! |
北小岩 |
「行ってしまいました‥‥」 |
翌朝弟子の北小岩くんは、
先生の書斎前で、失禁したサラリーマンのように
ぼーっと立っていた。 |
小林 |
「どうした北小岩、
尻子玉抜かれた顔して。
何かあったんか」 |
北小岩 |
「実はわたくし、
昨夜彼女と
コトに及ぼうといたしまして」 |
先生の額に青筋が踊った。
生まれてから一度もモテたことがない先生は、
誰かが女性と気持ちいい思いをしたと聞くと、
つい臨戦モードに入ってしまうのだ。 |
小林 |
「お前、俺にケンカ売ろうっていうんか」 |
北小岩 |
「めっそうもございません。
その先を聞いてください。
パンティに手をかけようとして
顔を近づけると‥‥」 |
先生の口は裂け、般若の形相になっている。
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北小岩 |
「くしゃみがでたり、涙目になったり。
自分でも制御不能になって、
それ以上できないのです。
実はわたくしだけでなく、
知り合いのプレイボーイ氏も
同じ症状が出てしまい、
ナンパに成功しても
パンティでジ・エンドと
嘆いております」 |
先生の表情に変化が起きた。
天使の微笑をたたえ、
口調もやさしいお母さんのようになった。 |
小林 |
「そうか。そうか。
ついに完成させたんやな」 |
北小岩 |
「原因をご存知なのですか?」 |
小林 |
「まあな。ほな、行ってみるか」 |
二人は鈍行停車を乗り継ぎ、
四方を山に囲まれた無人駅で下りた。
そこからさらに徒歩で2時間山道を登る。 |
北小岩 |
「ここはもしかすると、
杉花粉の産地として有名な場所では
ございませんか?」 |
小林 |
「ほほう、なかなか鋭くなったな。
おっ、やつの家が見えた」 |
茅葺き屋根には大きな穴が開き、
障子はほとんどが破れている。
そばには枯れ井戸があった。 |
小林 |
「いるか!」 |
力強く開けると、戸はそのまま音を立てて倒れた。 |
小林 |
「山に入っているようやな。
実はな、俺の親友で
俺以上にモテない男がおる。
こいつがついに
『パ粉』の開発に成功したんや」 |
北小岩 |
「パ粉?」 |
小林 |
「パンティを細かく細か〜〜〜〜〜〜〜く
粒子にしたもんや。
それをスギ花粉の粒子にくっつけ、
花粉といっしょに飛ばす。
全国津々浦々にや。
吸い込んだヤツの体中には、
パンティに対する抗体ができてしまう。
そのため顔を近づけただけで
過敏反応が起こる。
いうなれば、パンティアレルギーや。
一度かかってしまったが最後、
それ以上いい思いができなくなる。
パ粉は使用済みパンティの粉を使い、
男だけがアレルギーになるように
工夫されている」 |
先生&親友は、
身につけたパンティを拝む機会が皆無なため、
何の影響もない。 |
親友 |
「あれ、小林じゃないか」
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小林 |
「おお、元気やったか。
お前、でかしたぞ!
よくやった。よくやった」
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