小林 |
「どうも近頃モテなくなった気がしてな。
まずは肉体改造やと思い、
腹筋してたら腹がつったんや。
生兵法は大怪我のもと、
やはりここは
専門家の手を借りんとあかんな」 |
二人は木枯らしの中、
黄色いランニングに短パン、下駄という出で立ちで、
隣町のスポーツクラブまで早駆けした。 |
小林 |
「頼もう。
拙者たち、
これから体を鍛えようと思っとるが、
レベル低き者に身体は預けられん。
そなたはどのくらいの力量を
持っとるんかいな」 |
やる気が空回りし、
なんとも不躾な言い回しとなったが、
トレーナーは相好をくずしそれに応えた。 |
トレーナー |
「ビンッ!」 |
両の腕に力を込めると、筋肉が棒状となり、
30センチほどもっこり突起。 |
北小岩 |
「あっ。
力こぶが、
おちんちんの形になっています!」 |
小林 |
「それもかなりの巨根や。
これは婦女子にアピール大やな。
うむ、あなたになら任せられる。
兄さんはどうやって
そこまで鍛えあげたんか?」 |
トレーナー |
「うちには男の魅力を
最大限に引き出すための器具が
色々あるんですよ」 |
小林 |
「むむ、それは
『チン肉養成ギブス』やな」 |
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トレーナー |
「そうです。
我がクラブ特製の愛液で、
まず筋肉をやわらかくします。
それからこのギブスを
長期間固定することで、
筋肉は山型にならず
如意棒状に猛々しく
そそり立つようになるのです。
3年もすれば
立派なチン肉が出来上がりますね」 |
北小岩 |
「なるほど!
ところであちらのプールでは、
ただ浮いているだけの人が
前に進んでいます。
どうしたことでしょう?」 |
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トレーナー |
「白鳥は優雅に泳いでいるようで、
水面下で必死に水をかいています。
彼は局部にフィンをつけ、
己のチン力で、
死に物狂いのキックを
繰り返しているのです」 |
北小岩 |
「なんと!」 |
小林 |
「ここで鍛えれば、
モテモテのウハウハや」 |
北小岩 |
「しかし、わたくしたちには
ハードすぎませんか」 |
トレーナー |
「ゆったりしたものもありますよ。
あそこをご覧ください」 |
畳敷き二十畳のスペースに目をやると、
若い男女が艶かしく動きながら
ポーズを決めている。 |
北小岩 |
「ヨガですね」 |
小林 |
「酷似しとるが、微妙に異なるようや。
奇妙な体位でわきの下を嗅ぎあっとる。
恍惚となりながらな」 |
トレーナー |
「よく気付かれました。
あれはヨガではなく『ワキガ』です。
ヨガを超越し、
二人でわきの下を嗅ぎあい
法悦へと誘われるのです」 |
小林 |
「うむ。
このスポーツクラブに挿入や!」
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