小林 |
「どないした!
んっ?
お前、便器にはまっとるやないか」 |
北小岩 |
「わたくし、
地震を何よりも苦としております。
便秘気味で渾身の力を
肛門にかけておりましたところに激震。
避難しようとしたら便器に尻が落ち込み、
抜けなくなってしまったのでございます」 |
小林 |
「便所におる場合、
揺れがおさまるまで
そこにいた方が安全やで。
しゃあないなあ。よっと!」 |
スッポン! |
北小岩 |
「ふう〜。
ありがとうございました」 |
小林 |
「そんなこっちゃ
日常生活にも支障をきたす。
ここはひとつ、
お前の仇敵を研究せなあかんな」 |
二人は町一番の博識を誇る
『横揺れ博士』の門をたたいた。
博士の研究室には、
金色の玉が二つぶらさがった震度計が
ディスプレイされている。
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北小岩 |
「基本的なことからお伺いいたします。
やはり地震は、
プレートが関係しているのですよね」 |
横揺れ博士 |
「火山地震などもありますが、
概ねそうですね」 |
北小岩 |
「プレート間地震は、
海洋プレートが大陸プレートの下に
沈み込んでひずみが生じ、
それに大陸プレートが耐え切れなくなって
元に戻る時に起こると習いましたが」 |
横揺れ博士 |
「一般的にはそう言われているようですが、
私の長年の研究によりますと
事情が異なります。
実はプレートには
男プレートと女プレートがありまして、
男が女にちょっかいを出しているのです」 |
北小岩 |
「なんと!」 |
横揺れ博士 |
「男プレートの先端には
如意棒状の突起物があります。
それで女プレートの窪みを突くのです。
近頃ではプレートたちは
ノーマルなプレイに飽き足らずに、
地震波も複雑化する傾向が見られます」 |
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北小岩 |
「と申しますと」 |
横揺れ博士 |
「今まで地震波といえば、
P波とS波でした。
しかし、一対ではあり得ないP波が
発生しているのです」 |
小林 |
「3P波やろ」 |
横揺れ博士 |
「そうです。
女プレート1に対して男プレート2、
もしくは男プレート1に対して
女プレート2で楽しんでいるのでしょう。
プレートもより強い刺激を
求めているのですね」 |
北小岩 |
「S波はかわりないのですか?」
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横揺れ博士 |
「ありますね。
ビシッとくるSM波の存在が
確認されています」 |
小林 |
「地球といえども、生身の生き物や。
これからさらに、
変態プレイに走る可能性は大やな」 |
北小岩くんはいたたまれず、
外に飛び出すと大地に向かって叫んだ。 |
北小岩 |
「生まれてこの方、
わたくしを恐怖のどん底に
落とし続けてきた悪魔の振動が、
そんな理由で起きていたとは。
地球のどスケベ野郎〜〜〜!」
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