小林 |
「すぐに駆けつけますから、
早まらずに!」 |
先生は入浴のため、
股間にお湯をかけたところで電話に出たのだが、
ぶらぶらと水滴をはらうとブツを褌におさめ、
猛然とダッシュをかけた。 |
小林 |
「其処我先輩!」 |
部屋に飛び込むと、
其処我多々抜(そこがたたぬ)氏は
布団に横になり、イチモツを氷嚢で冷やしていた。
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小林 |
「いかがなされました?
秘所が発熱したのですか」
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其処我
多々抜 |
「そういうわけじゃないんだが、
ここ数年調子が悪くてな。
壊滅的だよ。
小林のソコはどんな按配だね」 |
小林 |
「女性からの評価はともかく、
自分では
まだ若鮎のようだと思っとります」 |
其処我
多々抜 |
「そんなことを言っていられるのも、
今のうちだけだな。
俺も若い頃には、
太平洋の名を欲しいままにした女性が、
まるでシロナガスの踊り食いみたいね、
と感嘆の声をあげたほどだ」 |
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小林 |
「‥‥」 |
其処我
多々抜 |
「だが、今はシロコンニャクと戦っても
負けるだろう。
お前にはそうなってほしくないんだ」 |
小林 |
「お心遣いありがとうございます。
それはそうとして、
手遅れというのは?」 |
其処我
多々抜 |
「先日知り合いの博士に聞いたのだが、
今の科学の粋を集めてことにあたれば、
全盛時の状態を
形状記憶できるらしいのだ」 |
小林 |
「形状記憶というのは、
形状記憶合金のことですか?」 |
其処我
多々抜 |
「その技術を応用するんだ。
イチモツがMAXになった時の温度を
記憶させたチタンとニッケルの合金を
ブツに埋め込む。
そうすればもし不全になっても、
合金が活躍してくれて、
天に向かい屹立できる。
つまり形状記憶合チンだな。
若鮎というのは眉唾だが、
まだお前なら
そこそこの角度を
記憶させることができるだろう。
俺はもうダメだ。
記憶させようにも、
自分ではMAXだと思っていても、
ほとんど角度なんてついてねえ」 |
小林 |
「でも、自分の気持ちと関係なく、
温度で角度がついてしまったら、
面倒なことになりませんか」 |
其処我
多々抜 |
「ならんな。
例えば風呂でイチモツをあたためた温度で
MAXになるように設定しておけばどうだ。
臨戦前に浴槽であたためる。
それで何歳になっても、
ぶっとい避雷針のように
猛々しい角度を保つことができるんだ」
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小林 |
「なるほど。
冷えるまでが勝負のようですが、
今処置を施しておけば、
私のイチモツも一生安泰なのですね。
ぜひ、その博士をご紹介下さい!」
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