北小岩 |
「手相の雑誌ですね。
え〜と。
『ズバリ!モテる手相。
君の手の下半身はウハウハ!?』」 |
ご存知の通り、先生は生まれてこの方
一度もモテたことがない。
現状を打破するため手相術をマスターし、
女性に見てあげますよと、
巧みに近づこうと企てていたのだ。
そのための一冊がこれである。 |
北小岩 |
「手の下半身というのは何でしょう。
恋愛運に長けているので
結果的に下半身が
ウハウハになるということですか」 |
小林 |
「いや。
事はそう単純なものではない。
編集長に直接講義してもらったほうが
手っ取り早そうやな」 |
二人は出版社にアポイントメントを取り、
全速力で駆けつけた。
先生は以前、その社が出している雑誌の
『あなたのMAXエロ本開チンコーナー』に
紹介されたことがあり、
それを読んでいた編集長とはすぐに意気投合した。 |
小林 |
「ところで編集長、
雑誌に書かれていた手相の話は
本当かいな」 |
編集長 |
「そうですね。
手相は一般に筋のように
凹んでいると思われていますが、
例外があるのです」 |
北小岩 |
「と申しますと」 |
編集長 |
「まれにですが、
相が突起している男がいます」 |
小林 |
「俗に勃起線と呼ばれとる。
女性と握手まで持っていければ
そいつのもんや。
充血した突起が相手の手相に挿入され、
前後に動いて刺激を与えるんや」 |
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北小岩 |
「なんと!」 |
編集長 |
「女性はあまりの気持ちよさに、
忘我の境に入るのです。
勃起線の持ち主は、
朝起きると手のひらが
テントを張った状態になっていることも
あります。
『神の手相』と我々は崇めております。
また、女性でも手相がとても深く、
濡れやすい方がいらっしゃいます。
割れ目線です。
勃起線の男性と割れ目線の女性は
相性抜群で、
手と手で際限なく
エクスタシーが得られます」 |
小林 |
「いわゆるテックスというヤツやな」 |
北小岩 |
「手は秘所よりも微妙な動きができます。
思いもよらない気持ちよさが
あるのでしょうね。
うらやましい限りです。
他に変わった手相はありますか」 |
編集長 |
「信じられないほど
長い線を持っている方が‥‥」 |
小林 |
「手からちんちんまで
途切れることなく続いとるらしいわ」 |
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北小岩 |
「それはイカしてます!
さぞ女性から人気でしょう」 |
小林 |
「そうでもない。手淫線やから。
イカしているといっても、
自分で自分をイカしているだけのことや」 |
編集長 |
「長いだけではだめなんですね。
それはそうと、先生は手のひらに
包帯をお巻きですが、
どうされたのですか」 |
小林 |
「いやなに。
最近料理に凝っとってな。
あわびを切ろうとして
刺してしまったんや」
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