小林 |
「ついに来たか。
いやな、お前も毎日がんばっとるから、
たまには何かプレゼントしようと思ってな」 |
北小岩 |
「めっそうもございません。
お気持ちだけでも、
わたくしなどには
もったいないことでございます‥‥」 |
そのまま汚れのない瞳に涙をため、
しゃくりあげ始めた不肖の弟子。 |
小林 |
「まあそう謙虚になるな。
お前は隣町に行くのでさえ
逆方向に進んでしまうほどの
方向音痴やろ。
だからな、
ちょうどいいナビゲーションシステムを
注文しといたんや」 |
北小岩 |
「はて?
先生もご存知の通り、
わたくしのマイカーといえば
ハンドルが曲がってしまった
ママちゃりと、
サドルがかくかく動く
一輪車でございます。
それは一輪車用ですか?」 |
小林 |
「一輪車というよりも、
一本車といったほうが近いやろな。
これはな、試作品を
特別料金で買いあげた
『ちんちん用ナビゲーションシステム』
なんや」 |
北小岩 |
「なんと!」 |
小林 |
「略して『ちんナビ』。
ちらしを熟読したんやが、
これほど便利で有効なものはないで。
このマシンに
イチモツを載せ住所を打ち込むと、
方位磁石のように
行きたい方向を指してくれる」 |
|
北小岩 |
「なるほど。
おちんちんが
毅然と示した方角へ向かうのは、
とても勇壮で気持ちがいいでしょうね」 |
小林 |
「それだけやないで。
ちんちんには危険も多い。
突然野犬に襲われ食いちぎられたら
おしまいや。
衛星からの情報によって、
うろついている野犬を発見したら
そこから1キロ以内に
近づかなくてすむよう
警告ランプが点灯しブザーが鳴る。
その技術を応用して、
小股の切れ上がったいい女たちが
たくさんいるところもキャッチし、
導いてくれるというわけや」 |
北小岩 |
「まるで女群探知機ですね。
思わず大漁節を歌いたくなります」 |
小林 |
「音楽の方も充実しとるで。
酒や味噌などに
モーツァルトを聴かせると、
味がまろやかになったり、
品質が向上したりすると言われとるやろ。
もちろんちんちんだって例外やない。
歩きながらモーツァルトを
直に聴かせることで、
そこがまろやかになることは間違いない。
女性たちもウハウハや」 |
北小岩 |
「そのようにうれしい副産物も
あるのですね」 |
小林 |
「うむ。
それにカメラも内蔵されているので、
うつしたちんちんを
モニターで人に見せることができる。
お前のように
粗品しかもっとらんものには朗報や。
なにせ映像は実物よりも
かなり大きく見せることができるからな。
ブツの上にモニターがついとったら、
そちらを見て脳裏に焼き付けてしまうのが
人の性や」 |
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北小岩 |
「完璧でございますね。
さっそく使用させていただきます」 |
隣の部屋へ行きパンツを脱いで装着。
スイッチを入れると。
「あら、お元気そうね。
さっそく次の角を右折してね。
それから2キロ先を左折よ。
そこにはミニスカートの女の子たちが
5人ぐらい、
パンチラしながらベンチに座っているわ」
可愛らしい女性の声でガイドを始めた。
北小岩くんは指示にしたがい歩き始めたが、
どうも胡散臭い。
ナビの会社が性風俗店と提携していて、
そちらに誘導しているとしか思えない。
とはいえ現代、
男性のちんちんは弱っていく一方なのである。
今後どういう形であれ、
ちんちんをサポートするための
ナビゲーションシステムが必要であることは、
疑いないであろう。 |