小林 |
「お前そこで何しとる」 |
北小岩 |
「先生、わたくしは
不条理なる屈辱を受けました」 |
小林 |
「話してみい」 |
北小岩 |
「昨日のことなのです。
駅の階段を上っていたところ、
前を行く超ミニスカートの
女性がおりまして」 |
小林 |
「俺も経験があるが、
のぞいてもいないのに
スカートの裾を押さえられると
頭にくるよな」 |
北小岩 |
「そうなのです。
のぞこうなどという気持ちは、
生えたての陰毛ほども
ございませんでした。
しかし、こちらも前を見なければ
こけてしまいます。
おまけにわたくし、
近頃エロ本を熟読しすぎて
視力が低下しております。
ですから一段づつ、
階段を凝視しながら歩いておりました。
まったく見る気はなかったのですが‥‥。
裾の手が気になって、
つい視線がそこに。
するとその女性が
般若の形相で振り向き、
『何見てんのよ!
このどすけべ短小包茎野郎!!』
と大声で騒ぎたてました」 |
小林 |
「それは災難やな。
そういう女に限ってブ」 |
北小岩 |
「わたくしも激昂し、
言い放ってしまいました。
『なぜ似合いもしないのに
そんなミニを履いているのですか。
裾を押さえて歩くぐらいなら
最初から履かなければいいでしょう。
お言葉を返すようですが、
わたくしにも選ぶ権利がございます。
あなたのようなブ』。
その時でした。
女がわたくしを蹴倒したのです。
わたくしは階段の下までころげおち、
急所を足蹴にされました。
もうくやしくてくやしくて」 |
小林 |
「どんなに見たくないものでも、
見てしまうことはある。
例えばぶさいくな男が
階段を歩いているとする。
目の前に男のたまきんが
ぶらぶらしとったら、
後ろの女だってつい見てしまうやろ。
北小岩のケースは、100%女が悪い。
これは思い知らせてやらにゃあかんな」 |
先生は以前から
ミニスカ裾押さえ女のことを
心よく思っていなかったので、
いち早くその対抗策に着手していた。 |
小林 |
「見てみい。
これが俺の開発したミニパンツや。
たまきんの部分が
はみ出るように細工してある。
まあ、
生を直接ご覧にいれるのは犯罪なので、
薄い布を被せとるがな。
その部分は金粉でぴかぴかや。
どや、これなら思わず
目が吸い寄せられてしまうやろ」 |
|
北小岩 |
「かんぺきです!」 |
二人はリベンジを果たすべく、最寄駅に向かった。
待つこと2時間。 |
北小岩 |
「あそこを歩いている人です!」 |
小林 |
「よっしゃ、わかった。
目にモノ見せてくれるわ」 |
先生はダッシュをかけ、
女の前にポジションをとった。
ゆっくり階段を上がる。
ミニパンツからはみ出した金の玉袋が
ゆらゆら揺れる。
女は思わず注視してしまった。 |
小林 |
「あんた今、
俺の玉袋舐めるように見たやろ!
どすけべ女が」 |
女 |
「何言ってんのよ、
このど変態!」 |
女は憤怒し、
薄い布で包まれた玉袋を
力まかせに引っ張った。 |
|
小林 |
「こっ、こら!
その手を離さんかい。
やっ、やぶれる!」 |
ビリビリッ!
布が裂かれ、中から血色の悪いたこ焼きが
ふたつこんにちはをした。 |
女 |
「駅員さん、
この人私にワイセツなものを
見せつけるんです!」 |