北小岩 |
「あれは
オオハクチョウではないですか!」 |
小林 |
「テレビでしか見たことなかったが、
見事なもんや」 |
物知り
おじさん |
「越冬のために、
シベリアから飛来しているんだね」 |
北小岩 |
「わたくしなどは、
ここでさえ数分で
冷凍人間になってしまいそうなのに、
冬を越すためわざわざ来るなんて、
シベリアは
信じられないほどの寒さなのでしょうね」 |
物知り
おじさん |
「氷で閉ざされ、
餌をとれなくなってしまうからね」 |
二人は北小岩くんの遠い親戚である
北国の物知りおじさんを訪ね、
渡りの習性を持つ生き物を観察するために
旅しているのだ。 |
小林 |
「せっかくだから、
岩場に行ってみまっか」 |
三人はリヤカーのようなソリに乗り、海へと移動する。 |
北小岩 |
「ずは〜。
骨の髄まで染み渡る寒さでございます。
それにしてもこの潮溜まり、
ずいぶんたくさんイソギンチャクが
おりますね。
実はわたくし、
イソギンチャクに指を入れることを
ライフワークにしております」 |
ちょっぴり変態な趣味を持つ弟子は、
両手で浣腸の形をつくると、おもむろにつっこんだ。 |
北小岩 |
「むむっ!!」 |
いつもと手ごたえが違う。
締める力があまりに強いのだ。 |
北小岩 |
「しまった!
これは
イソギンチャクではございません!!」 |
気付いた時には遅かった。
穴の中から黄土色の物体が
にゅるにゅると出てきてしまった。 |
物知り
おじさん |
「土地の人しか知らないのですが、
それは『渡りケツの穴』ですね。
ここには越冬のために
渡り鳥もたくさん飛んできますが、
渡りは鳥だけにとどまらないのです。
極寒の地からは、
ケツの穴も避寒にやってきます」 |
|
北小岩 |
「なんと!
わたくし、まったく存じませんでした。
う〜〜〜、この黄土色の物体は
うんこだったのですね。
おまけに下痢をされているようです」 |
物知り
おじさん |
「4000キロもの
厳しい旅をしてくるわけです。
泳いでくる途中で大きな氷に挟まれ、
命を落とすケツの穴もたくさんいます。
下してしまっても、仕方ありませんね」 |
ぷ〜〜〜っ!
ケツの穴から妙な音がした。 |
物知り
おじさん |
「おっと、屁をこきました。
氷点下40度を超すと、
おならは凍ります。
この海は
向こうよりかなりあたたかいので、
ケツの穴の奥で凍っていたおならが溶け、
音を立てたのですね。
よく嗅いでください。
ぐふっ!かなり強烈です。
かの地では凍ったおならを、
子供たちはおろか、
大人もこっそり友だちのテーブルなどに
置いておき、
溶けっ屁をかまして遊んでいるのです」 |
小林 |
「おならが凍るというのは、
俺も初耳やった」 |
物知り
おじさん |
「目を凝らして海底をみてください。
あのなまこに見えるものは、
『渡りちんちん』です。
おちんちんが泳いでくるのは、
非常に大きなリスクがあります。
冬は食べ物が不足しているので、
アザラシなどが
動きのにぶったおちんちんを
食べようと思い、
手ぐすねひいているのです。
それほどの危険をおかしてまで
日本にやってくるのは、
向こうでは凍傷にかかってしまい
イチモツ生命が
危機に陥るからなのですね」 |
|
北小岩 |
「そうなのですが。
男としては大変同情いたします。
わたくしのイチモツは
日本に生まれてよかったです」 |
物知り
おじさん |
「まあちんちんも必死ですから、
食べられそうになると
恥垢をふりまき相手を撃退したり、
危急存亡の時には
白濁したものを相手の目に打ち込み、
必死に逃げるのです」 |