小林 |
「ほう。見事なもんやな」 |
柄にもなく公園で、
白梅、紅梅を愛でる阿呆先生と頓馬弟子。 |
北小岩 |
「おや?
あそこにいらっしゃるのは
さわやか笑顔の麗木(うららぎ)さんでは
ないでしょうか」 |
小林 |
「ほんまや。おい!麗木!!」 |
麗木 |
「あっ、先生ではありませんか」 |
小林 |
「お前、ケツの穴はよく洗っているか」 |
麗木 |
「何ですか、唐突に。
それもこんな優雅な梅見会で。
大体、ケツの穴ではありませんよ。
僕のその部分は今年から三年間、
ネーミングライツで
『調布さわやかホール』と
呼ばれることになったんです」 |
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北小岩 |
「どういうことですか」 |
麗木 |
「地元のホールが、
僕のホールに目をつけたんです。
僕は笑顔だけでなく、
穴までさわやかなんです。
だからホール側も
ぜひその名で呼びたいということで、
契約を結びました」 |
小林 |
「権利料をもらっとるんかい」 |
麗木 |
「もちろんですよ。
だから、先生も僕の穴のことを
語る時には、
調布さわやかホールと呼んでください」 |
北小岩 |
「旧渋谷公会堂は
渋谷C.C.レモンホール、
大阪ドームは
京セラドームと呼ばれるなど、
様々なところで
ネーミングライツが導入されております。
その波が秘すべき所にまで
押し寄せていたのですね」 |
小林 |
「お前にとっちゃ、ええことばかりやな」 |
麗木 |
「僕の場合はそうなのですが、
友だちの事例を考えると
そうとは言い切れませんね」 |
北小岩 |
「暗黒な命名権もあるのですか」 |
麗木 |
「実はそうなんですよ。
僕の知人で美山という男がいるのですが、
そいつはかなりのイケメンで
モテるんです。
でも、家業が傾いて金に困っていまして」 |
北小岩 |
「それで命名権を
どこかに売ってしまったのですか」 |
麗木 |
「ええ。
美山がモテるのを
心よく思っていない団体がありまして、
彼は自分のポールを
『恥垢プ〜ン』という名で
呼ばなければならない契約を
結んでしまったのです」 |
小林 |
「そいつの彼女もイチモツを
『あっ、恥垢プ〜ンが
こんなに大きくなってる』
と言わなきゃならんわけやな。
匂ってきそうで
その後の行為に差しつかえるな」 |
麗木 |
「それだけではありません。
彼の家の門はかなり格式があり、
その地区の待ち合わせ場所などにも
使われています」 |
北小岩 |
「その門の名前も」 |
麗木 |
「『ブリブリ肛門』とつけられまして、
町の人は
『じゃあ、ブリブリ肛門に
2時に集合!』
などと言うようになったのです」 |
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北小岩 |
「屈辱的な名前でございますね」 |
小林 |
「あまりといえば、あんまりやな」 |