北小岩 |
「先生、どうされましたか。
あまり元気がないような気がいたしますが」 |
小林 |
「いやな。
以前に比べて股間の凛々しさに
欠ける気がするんや。
どうしたもんかと思ってな」 |
北小岩 |
「そうでございますか。
わたくしなどは
まだまだ若輩者でございますが、
それでも如意の棒に疲れが出ております。
友だちに相談しましたところ、
彼もまた同様でした。
そこで二人でいろいろな意見を
交換したのですが、
こうするのがよいのではないかという
方法が見つかりまして」 |
小林 |
「ほほう。
それは?」 |
先生の目が、いやしく光る。
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北小岩 |
「如意の棒が、
規則正しい生活を送れていないことが
大きな原因ではないかと。
そこで」 |
ガラチンガラチン。
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友 |
「友ですよ〜〜〜」 |
小林 |
「よう来てくれた!」 |
珍しく先生が、
お茶とよっちゃんイカ2ヶを台所から運んできた。
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小林 |
「ところで、
我が息子を再びキングコブラにするには、
どうすりゃええんかい」 |
友 |
「基本に立ち返りまして、
ちんの1日を根底から見直そうと」 |
北小岩 |
「子供の頃、
夏休み用の時間割を
作ったことがございますね。
ですからイチモツ用の時間割を作って、
きちんと生活しようということに
なったのです」 |
小林 |
「なるほど。
俺も長年、相棒生活が
乱れすぎていたかもしれん。
そう考えると、
毎日同じスケジュールにそって
生活することは、
何より大事なことやろな」 |
三人は集中して時間割を製作するために、
別々の部屋に行き、
一時間後にお茶の間に集合することにした。
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小林 |
「どや。
有効な組み立てになっとるかな。
俺は大雑把に言うと、9時起床。
朝だちを利用しての海綿体トレーニング。
フランクフルトソーセージの講義を聴く。
それからブランチンチン。
己を大きく見せるための練習。
外人女性とのチャンスを逃さないための
ちんちん英会話。
贅沢なディナー。
そして就寝や」
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北小岩 |
「わたくしはその部分への行水で
1日を始めます。
それから座禅。
その後はじっくり論語を学びます。
仁や礼、徳のあるイチモツを
目指したいのです。
勉強がすみましたら、
精進料理をいただきます。
ちん腹を満たしましたら、
写経をして心を落ち着かせ、
実戦でございます」
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友 |
「僕は起きたらラジオ体操、水泳、
音楽鑑賞と進みます。
そして、ちょんまげの練習。
彼女の頭にすばやく美しく
ブツをのせるための動きを繰り返すのです。
それがすみましたら、
たんぱく質中心の食事をとり、
インターバルトレーニング。
最初からMAXでいけるように、
スタートダッシュ。
軽くひとり遊びをしてから、実戦ですね」 |
先生の顔がいつの間にか
東大寺南大門金剛力士像の形相に変わっている。
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小林 |
「二人の計画は、
基本的には合格点にいっとるやろ。
だがな、
ひとつ聞き捨てならないところがある。
実戦やと?
お前らにお相手がいるんかい!!」 |
友 |
「もちろん、おりますよ。
もしかして、先生はいい歳こいて、
いないので」 |
北小岩くんが友の袖を引っ張り、目配せする。
先生は自分がモテないという事実が
白日のもとにさらされることを
最も恐れているのだ。
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北小岩 |
「わたくしも彼も
漢字の書き間違いを
していたようでございます。
これは実戦ではなく、実務でございました。
ちんちんの周りをお掃除したり、
ちんちん宛のメールをチェックしたりと、
そのようなことでありました」 |
小林 |
「そうやろ!!!!!!!」 |
人がモテることを、あくまでよしとしない先生。
もし規則正しい生活を送り、その部分が
キングコブラやキングギドラのようになったところで、
実戦の機会が皆無なのだから、
何の意味もないであろう。 |