北小岩 |
「小さな白いお花が、
とても健気でございます」 |
庭に群生したドクダミに目を細め、
一人ごちる弟子の北小岩くん。
すると道の向こうから。
♪ ABCD ED〜 ABCD ED〜
女性たちが澄んだ声で、「ABCの歌」を変形させた曲を、
何度も何度も繰り返しながら歩いてくる。
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北小岩 |
「心を包み込む
ゆりかごのような歌声でございます。
わたくしも一緒に口ずさみたくなりました。
♪ ABCD ED〜 ABCD ED〜」 |
小林 |
「こらっ、やめんかい!
それは罠や!!」 |
北小岩 |
「あっ、先生。
でも、どうしてこの曲が罠なのですか?」 |
小林 |
「お前はABCの歌のつもりで、
気持ちよく歌っているかもしれん。
しかし問題はその後に来るEDや。
毎日毎日知らず知らずのうちに
口にしてみい。
下半身がEDという言葉に
慣れ親しんでしまい、
しまいに息子が
使い物にならなくなってしまうんや」 |
北小岩 |
「なんと!」
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小林 |
「あの女性たちは、
『男の機能を破壊する会』のメンバーや。
サブリミナル攻撃など、
様々な方法を用いて、
男のイチモツが役立たないようにして
行脚しとる」 |
北小岩 |
「なぜそのようなことを」 |
小林 |
「わからん。
そんな事を問うたが最後、
俺の大切なエンジョイ・スティックまで
滅ぼされてしまうわ」 |
北小岩 |
「どのようにすれば、
彼女たちからイチモツを
守ることができるのでしょうか」 |
小林 |
「まず相手の出方を見ることが大切や。
見つからんように後をつけてみるか」 |
女性たちは天女の美声で、ABCDEDを歌って練り歩く。
彼女らが通り過ぎると、
あちこちの家から男たちが、
つられて歌ってしまう声が聴こえてきた。
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小林 |
「彼らのちんちんの寿命も、
あと一週間がええとこやろな」 |
北小岩 |
「先生、あそこをご覧下さい」 |
小林 |
「うぬぬ」 |
鋭くとがった木の枝に、
ぽこちんそっくりのフランクフルトが突き刺してある。
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北小岩 |
「あまりに痛そうなので、
思わず股間を押さえてしまいました」 |
小林 |
「まるで百舌の早贄や。
さしずめ、魔羅の生贄といったところか。
男のモノは、精神的にかなり脆弱や。
あんなものを見せ続けられたら、
いざという時に言うことを
きかなくなってしまうわ」
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北小岩 |
「一団が信号を渡っていきます」 |
二人ははぐれないように、ダッシュをかけた。
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北小岩 |
「あれっ?
歩行者用信号機のそばに、
見たことのないシグナルが
設置されています」 |
そのシグナルは、信号が青に変わると同時に点灯する。
「中折れ」というおどろおどろしい文字が
浮き上がる仕組みだ。
歩行者はシグナルに向かって進むことになる。
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小林 |
「やられたな。
あれは信号やなくて、チンGOや。
世の男たちは横断歩道を渡る時、
いやでも中折れへの道を歩まねばならん。
そのことは深く脳裏に刻まれ、
いつの日かブツに悪影響が出てくるやろ。
恐ろしい人たちや。
北小岩も、くれぐれも
あの会に逆らわん方がええで」 |
只でさえ男の下半身弱体化が進行している昨今。
この会の活動により、
さらに脆くなってしまうことは確実であろう。
OH!MYSON!! |