KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の百九拾弐・・・会


北小岩 「小さな白いお花が、
 とても健気でございます」

庭に群生したドクダミに目を細め、
一人ごちる弟子の北小岩くん。
すると道の向こうから。

♪ ABCD ED〜 ABCD ED〜

女性たちが澄んだ声で、「ABCの歌」を変形させた曲を、
何度も何度も繰り返しながら歩いてくる。

北小岩 「心を包み込む
 ゆりかごのような歌声でございます。
 わたくしも一緒に口ずさみたくなりました。
 ♪ ABCD ED〜 ABCD ED〜」
小林 「こらっ、やめんかい!
 それは罠や!!」
北小岩 「あっ、先生。
 でも、どうしてこの曲が罠なのですか?」
小林 「お前はABCの歌のつもりで、
 気持ちよく歌っているかもしれん。
 しかし問題はその後に来るEDや。
 毎日毎日知らず知らずのうちに
 口にしてみい。
 下半身がEDという言葉に
 慣れ親しんでしまい、
 しまいに息子が
 使い物にならなくなってしまうんや」
北小岩 「なんと!」

小林 「あの女性たちは、
 『男の機能を破壊する会』のメンバーや。
 サブリミナル攻撃など、
 様々な方法を用いて、
 男のイチモツが役立たないようにして
 行脚しとる」
北小岩 「なぜそのようなことを」
小林 「わからん。
 そんな事を問うたが最後、
 俺の大切なエンジョイ・スティックまで
 滅ぼされてしまうわ」
北小岩 「どのようにすれば、
 彼女たちからイチモツを
 守ることができるのでしょうか」
小林 「まず相手の出方を見ることが大切や。
 見つからんように後をつけてみるか」

女性たちは天女の美声で、ABCDEDを歌って練り歩く。
彼女らが通り過ぎると、
あちこちの家から男たちが、
つられて歌ってしまう声が聴こえてきた。

小林 「彼らのちんちんの寿命も、
 あと一週間がええとこやろな」
北小岩 「先生、あそこをご覧下さい」
小林 「うぬぬ」

鋭くとがった木の枝に、
ぽこちんそっくりのフランクフルトが突き刺してある。

北小岩 「あまりに痛そうなので、
 思わず股間を押さえてしまいました」
小林 「まるで百舌の早贄や。
 さしずめ、魔羅の生贄といったところか。
 男のモノは、精神的にかなり脆弱や。
 あんなものを見せ続けられたら、
 いざという時に言うことを
 きかなくなってしまうわ」

北小岩 「一団が信号を渡っていきます」

二人ははぐれないように、ダッシュをかけた。

北小岩 「あれっ?
 歩行者用信号機のそばに、
 見たことのないシグナルが
 設置されています」

そのシグナルは、信号が青に変わると同時に点灯する。
「中折れ」というおどろおどろしい文字が
浮き上がる仕組みだ。
歩行者はシグナルに向かって進むことになる。

小林 「やられたな。
 あれは信号やなくて、チンGOや。
 世の男たちは横断歩道を渡る時、
 いやでも中折れへの道を歩まねばならん。
 そのことは深く脳裏に刻まれ、
 いつの日かブツに悪影響が出てくるやろ。
 恐ろしい人たちや。
 北小岩も、くれぐれも
 あの会に逆らわん方がええで」

只でさえ男の下半身弱体化が進行している昨今。
この会の活動により、
さらに脆くなってしまうことは確実であろう。
OH!MYSON!!

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2008-06-06-FRI

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