北小岩 |
「おかしいでございます。
朝の元気だけが
とりえのわたくしですのに、
口をすぼめた
しなびれウツボカズラのままでございます」 |
爽やかな秋の空気を汚すように、
股間を凝視している。
キュー、バタン。
どうしたことだろう。
いつもはパンツのわきから
おいなりさんをこんにちはさせながら、
だらしなく眠り続ける先生が、厠から出てきたようだ。
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小林 |
「ふう」 |
北小岩 |
「まだ5時過ぎですが」 |
小林 |
「いやな、
エッチな夢を見ていたんやが、
ええとこで目が覚めてしまったんや。
悔しくて悔しくて」 |
北小岩 |
「失礼ですが、
その時ご子息は
どのような形状でございましたか」 |
小林 |
「もちろん、
超巨大な金棒になっとったわ」 |
そんなことはないであろう。
先生のそこもかなりさびついているはずだ。
だが、人のよい弟子は。
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北小岩 |
「さすがでございます。
わたくし、
このところ朝の如意棒が
威容を誇ることができません。
どうしたらよいのでしょうか」 |
小林 |
「そればかりは、
師を見習えといっても限界があるわな。
仕方ない。
チーフ・エンジニアを紹介したるわ」 |
名医ではなく、
なぜチーフ・エンジニアに相談せねばならないのか。
わからぬままに、北小岩くんは
よっちゃんイカを菓子折りのように詰め、
『ハーイ!ブリッド』と
にこやかに書かれた門をくぐった。
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北小岩 |
「このところモーニング・テントを
張ることができません」 |
チーフ・
エンジニア |
「朝に限らず夜もという方、
若い層に増えていますね」 |
北小岩 |
「しかし、それを解決するのが、
なぜこちらなのでしょうか」 |
チーフ・
エンジニア |
「私は何年も昔から、
ちんちんのハイブリッド化について
研究しています。
自分の勃起力エンジン+電気モーターを
利用して、どんな時にも
屹立させようというわけです」 |
北小岩 |
「なるほど。
それですと、己の実力が
全盛時の半分に落ちていても、
補ってあまりありますものね。
しかし、何で発電するのですか」 |
チーフ・
エンジニア |
「部位特有のものを使います。
私は小便に注目しました。
小便の水力を使い、小さなタービンを回す。
つまり小便水力発電です。
そこで作られた電気は、
2つある睾丸のうちの1つに蓄電します」
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北小岩 |
「さすがに時代の最先端を行く
ハイブリッドでございます。
とても効率がよい気がいたします」 |
チーフ・
エンジニア |
「電力が足りなくなったら、
陰毛を思いっきり引き抜きます。
飛び上がるような痛みを電気にかえる。
陰毛抜き発電は、
サブの電力として使用します」 |
北小岩 |
「完璧でございます。
あますところなく有効利用し、
屹立の補助をしていく。
もし据え膳などが饗された場合、
言うことをきかなくても、
ハイブリッド棒にしておけば
心配ご無用ですね。
さっそくわたくしのブツ周辺も、
システム化してください!」
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男の精力弱体時代は、加速度をつけて進行している。
自力ですべてをまかなおうとして失敗し、
寂しい思いをするよりも、現実をしっかり見据えて、
利用できるものは取り入れていく。
ハイブリッド技術のさらなる進展を
願わずにはいられない。
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