KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の弐百拾壱・・・父の教え

「なかなかのお味ですな」

「は〜、ポン!」

まだ冬には早いが、
小林先生のボロ家では三人兄弟である友人たちを囲み、
鍋に舌鼓を打っている。

小林 「それにしても、
 いろいろ入っておるな」
北小岩 「先ほどわたくし、
 細い棒のようなものをいただきましたが、
 それはふやけた
 チョコポッキーでございました」
小林 「俺の食ったハマグリには、
 太いウィンナーが差し込んであったな」

どうやら、鍋と言っても闇鍋のようである。

北小岩 「むっ!」

普段はにこやかな弟子であるが、
何かを齧ってしまい、眉間に皺を寄せた。

北小岩 「こっ、これは・・・」
小林 「なんや?
 おっ、矢やないか。それも三本!」
三兄弟
長男
「すみません。
 つい父の教えを思い出し、
 入れてしまいました」
北小岩 「三本の矢に三兄弟・・・。
 もしかすると皆様は、
 毛利氏の家系でございますか」
三兄弟
次男
「そうだったらカッコイイのですが、
 残念ながら毛利ではありません」
小林 「そうや。
 こいつらの苗字は、『毛穴』や」

三兄弟
三男
「名前からしてカッコ悪いじゃないですか。
 それだけではなく、父の教えも」

三男が肩を落とす。

三兄弟
長男
「僕たちは三人とも、
 おちんちんが異常にやわらかいんです」
三兄弟
次男
「将来を心配した父が、
 ある夜、部屋にみんなを呼び出しました」
三兄弟
三男
「父は真剣な顔をして」
小林 「一人ひとりのちんちんは
 やわらかいけど、
 三人のちんちんを束にすれば、
 中折れすることもないほど猛々しく、
 強固になると説いたんやろ」
三兄弟
次男
「そうなんです」
三兄弟
三男
「それで仕方なく、
 今日のように部屋の明かりを落とし、
 闇の中でパンツを脱ぎました」
三兄弟
長男
「それから各自イチモツをつかみ、
 体を寄せ合って」
北小岩 「おちんちんを重ねたのですね」
三兄弟
次男
「でも、
 ふにゃけたナマコの頬ずりのようで、
 とても気持ち悪い感触がして」
三兄弟
三男
「それでも父の教えですから、
 なんとか重ね合わせ」
三兄弟
次男
「外れないように紐で結んだのです」
北小岩 「あまり想像したくない光景ですね。
 やはり力を合わせれば、
 折れないほど強靭なブツに
 なったのですか」
三兄弟
三男
「それが・・・」
三兄弟
長男
「三本のチンを合わせても、
 やわらかいものはやわらかかったのです」
北小岩 「・・・」


父の教え。
そこには深い洞察と愛がある。
時に人の人生をも一変させるほどの力を持っている。
だが、やわらかいものは何をやってもやわらかい。
それもまた、否めない真実であろう。

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2008-10-19-SUN

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