♪ 先生のポコはつつましい〜
もみじ一枚で隠れちゃう〜
先生の玉は小玉だよ〜
ぎんなんみたいな大きささ〜
弟子はいつになくゴキゲンなようで、
近所のガキどもが師をおちょくる時に唄う歌を
口ずさみながら帰宅した。
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北小岩 |
「♪ 大きささ〜。
むっ、これは何でございましょうか?」 |
外出時には無かったはず。
だが、門に長い半紙が貼られている。
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北小岩 |
「観楓会会場?
観楓会というのは、
紅葉を鑑賞する会でございますね。
はて、この家のモミジは、
先生の古くからの友人が遊びに来るたびに
小便をかけたために、
枯れてしまったはず。
なのになぜ? う〜む。
これはすぐにお知らせせねば」 |
弟子はナンバ走りで家に突入。
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北小岩 |
「たいへんです。
門のところに、卑猥で稚拙で
薄汚く妙に感じの悪い文字で、
ここがさも何かの会場であるかの如く
記されておりました!」 |
小林 |
「随分ボロくそに言ってくれるな。
あれは書道二段の俺の書や!!」 |
先生は小学生の頃お習字に通っており、
いるだけで段位が上がっていくという
甘ちゃんな教室だったので、
腐りかけた文字しか書けないのに二段なのである。
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北小岩 |
「それは失礼いたしました。
しかし、この家のモミジは
もう十年近くも前に
枯れてしまったではありませんか。
なぜ観楓会ができるのでございますか?」 |
チンチリリーン。
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小林 |
「来たな。
まあ、そこに座っとれ」 |
客人が笑みを浮かべて部屋に入ってきた。
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風流
さんA |
「やあ、先生。一年ぶりですね」 |
風流
さんB |
「今年もほどよく色づいてますよ」 |
北小岩 |
「初めまして。
わたしく、弟子の北小岩と申します。
とはいうものの、今日の会、
趣向がまったく
理解できないのでございますが」 |
小林 |
「世に己を風流人と勘違いしている輩は
数多かれど、
真に風流を体現しているといえば
この方々をおいて他にないんや。
ではさっそく、酒を酌み交わしつつ、
鑑賞しまひょ〜」 |
先生は押入れから迷酒『女体山』を取り出し、
客人のお猪口に注いだ。
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風流A |
「それでは私が
露払いをつとめさせていただきます」 |
彼のズボンの前方、
社会の窓の部分は本当の窓のようになっている。
そこを開けると陰毛が飛び出してきた。
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北小岩 |
「お毛けが赤く染まっております!」 |
小林 |
「そうや。
毛にペンキを塗ったわけやないで。
Aさんは常々、
風流は愛でるだけのものにあらず。
まず、
自分が風流であることが大事と思っていた。
来る日も来る日もな。
そしたら体が変異を起こし、
毎年この時期になると
陰毛が紅葉するようになったんや」 |
北小岩 |
「なんと!」
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小林 |
「Bさんはさらに上を行くで」 |
B氏がズボンに装着された戸を引くと、
それぞれの玉金が、
片方は赤く、もう片方は黄色に色づいていた。
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北小岩 |
「鮮やかな紅葉と黄葉、
いや、紅玉に黄玉!!
見事なような、そうではないような」 |
小林 |
「そこは割り切らねばならんな。
もう一人、まだ到着しておらんが、
その方は普段はケツの穴が菊の形なのに、
12月近くになると
穴がモミジ形になるんや。
それも腫上がったように赤くな」 |
北小岩 |
「その鑑賞につきましては、
わたくし、
ご遠慮させていただきとうございます」
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寒い国から南下してきた紅葉前線。
今、東京でも赤と黄が華麗に競演し、
人々の目を楽しませてくれている。
しかし、観るだけでは飽き足らずに自分が紅葉する男も、
日本には存在するのだ。
風流の度が過ぎてしまったといっても
過言ではない男たち。
その事実だけは、頭の片隅に・・・
おいておかない方がいいですね。
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