「いかがですか。先生もそろそろ、
セレブの仲間入りをされたら」
今日の来客は、紳士然としているものの
どこか胡散臭い男。
りっぱな髭をたくわえているようだが、
その縮れ具合から、
陰毛を植毛したものであることが推察される。
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小林 |
「そっ、そうかいな」 |
陰毛
紳士 |
「そうですよ。
何かスポーツはされてますか」 |
小林 |
「ほとんど毎日オナ・・・。
いや、
近頃は乗馬もとんとごぶさたやな」 |
もちろん、乗馬などできるはずはない。
先に言おうとした、オナは本当であろう。
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陰毛
紳士 |
「ゴルフの方は?」 |
小林 |
「名門コースが会員になってくれと
しつこいんやが、
断り続けとるんや」 |
そんなことはない。
誘われるとしても名門ではなく、肛門コースが関の山だ。
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陰毛
紳士 |
「それはもったいない。
そうだ、
今から試しにご一緒しませんか」 |
小林 |
「ゴルフはなあ。
もっと体を動かし続ける方が
性に合っているんやが。
スポーツとしては、動きが緩慢すぎんか?」 |
陰毛
紳士 |
「そんなことはございません。
ゴルフこそ、
スポーツ中のスポーツ。
格闘技と言っても差し支えないでしょう。
特にご案内するコースは、
体力、精神力、サバイバル力、
そして男としての力量が問われます」 |
小林 |
「かなり大げさな気もするが、
食わず嫌いもなんやな。
いってみるか」 |
へたれ先生は心臓をばっくんばっくんさせながら、
陰毛紳士の車でゴルフ場へと向かった。
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陰毛
紳士 |
「着きましたよ」 |
小林 |
「ちっちゃなコースやな。
ミニゴルフかいな」 |
陰毛
紳士 |
「そんな事はございません。
プレイしてみれば、
広すぎることがわかります」 |
掘っ立て小屋みたいなクラブハウスで、
ウェアをわたされる。
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小林 |
「むっ、これは!」 |
ナイキかと思えばさにあらず。
急所の部分にスウッシュのような
切れ込みが入っているのだ。
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陰毛
紳士 |
「下着を着けずに直接はいてください」 |
氏の言に従い、コースへ出た。
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陰毛
紳士 |
「では私が見本をお見せします」 |
パンツ中央から、
猛々しいモノがこんにちはをしている。
腕立て伏せをするような体勢で体をひねり、
勢いをつけたイチモツが
ティーの上のボールにヒットした。
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キャ
ディー |
「あは〜〜〜んッ!」 |
ポンポンポポン!
美形キャディーが歓声をあげ、
自分の股間を鼓のようにたたいた。
次は先生の番だ。
反動をつけ、ナイスショット!のはずが・・・。
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小林 |
「ううぉ〜〜〜〜〜!」 |
イチモツの硬度に問題があり、
ボールではなくティーにしこたまぶつけてしまった。
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陰毛
紳士 |
「このチンゴルフは、
特に集中力と精神の統一が勝負です。
ですから、
ティーには強い電流を流しています」
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プレイを始めてしまうと、
ホールの途中でリタイアすることは許されない。
陰毛紳士は自分のイチモツを、
器用にドライバー、アイアン、パターと使い分け、
パー5のコースをバーディーでまわった。
だが、先生はすぐにバンカーにつかまった。
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小林 |
「砂漠のような雰囲気。
危険を感じる・・・」 |
弱肉であるがゆえに勘が鋭い先生。
間髪をいれずに連打してボールを出すと、ジャンプした。
その時だった。
先生のイチモツを小さな昆虫と間違えたサソリが、
襲いかかったのだ。
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小林 |
「やっぱりそうか!
間一髪やった・・・」 |
なんと恐ろしいチンゴルフコースであろうか。
池にボールを打ち込んだ際には
浮かんだボールをチンチンであげなければならず、
放たれたピラニアにより致命的な深手を負った。
人生に一度あるかないかの危険な体験を重ね、
先生は紳士よりも30ほど多く打ったものの、
なんとかグリーンへオン。
カップ10センチのところに寄せた。
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小林 |
「ふう。
やっとこれで終えられる」 |
それが油断を招いた。
先生は空振り。
勢いあまって自分のゴールデンボールを
カップインしてしまった。
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陰毛
紳士 |
「一番やってはいけないことです!
罰金です!!」 |
小林 |
「罰金?
俺、ホールイン金保険も入ってへんで」 |
陰毛
紳士 |
「罰金と言うのは、罰金玉のことです!」
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カップの穴がみるみる縮み、
万力のようにゴールデンボールを締め上げた。
あわれ、先生の玉はぐしゃりと潰れてしまった。
紳士のスポーツと言われるゴルフ。
だがチンゴルフは別物。
危険極まりない競技であることを、
知っておかねばならないであろう。
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