ミーンミンミン
「ミンミンゼミでございますね。
気持ちのよい夏の日です。ふゎぁ〜」
桜の木陰で深呼吸したのは、弟子の北小岩くんであった。
シャーッ
「うわあ〜!」
カバのように大きく開けた口で、
セミのおしっこを飲んでしまったのも、
やはり弟子の北小岩くんであった。
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北小岩 |
「無礼でございます!
引っかけるならまだしも、
飲尿させられてしまうとは」 |
地団駄を踏んだ足元を見ると、
そこにはセミの抜け殻が落ちていた。
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北小岩 |
「仕方ございません。
セミさんもずっと土の中にいたのですから、
気持ちよく放尿したくもなるでしょう。
子供の頃には、
よく抜け殻を集めたものでございます」 |
ノミが巨大化したような乾き物を
手に取ろうとした弟子の眉間に、稲光が走った。
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北小岩 |
「これはなんでございましょう?」 |
そばに見慣れない抜け殻が落ちていたのだ。
大きさは約25センチ。
筒状だが、先っぽは丸まっている。
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北小岩 |
「先生に報告せねばなりません」 |
師のもとへ急行したのだが。
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小林 |
「これは・・・。
噂に聞いたことはあったが、
俺の手には負えんな。
抜け殻博士のところへ行ってみよか」 |
町はずれの大きな栗の木の下に生息している
博士を尋ねると。
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小林 |
「こちらが魂の抜け殻と呼ばれ、
いや失礼。
抜け殻博士と呼ばれとる
抜毛殻雄(ぬけがらお)はんや」 |
北小岩 |
「こんには。
さっそくなのですが、これをご覧下さい。
桜の木の下で拾ったのです」 |
抜毛殻雄 |
「大変珍しいものを拾いましたな」 |
北小岩 |
「と申しますと」 |
抜毛殻雄 |
「これは、おちんちんの抜け殻です」 |
北小岩 |
「そんなものが
この世に存在するのですか!」
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抜毛殻雄 |
「並の人には関係ありません。
せいぜい中学生の時、
その部分にやや脱皮に似た症状が
起こったぐらいでしょう。
しかし、
30センチを超えるモノの持ち主となると、
話しは変わってきます。
何度も何度も脱皮を繰り返して、
あの大きさに至るのです」 |
北小岩 |
「そうなのでございますか!
洋物のビデオを拝見しておりますと、
わたくしのモノとは
別の生き物としか思えないような
持ち物の方がいらっしゃいますが、
なるほど、脱皮していたのですね」 |
抜毛殻雄 |
「脱皮するのは、
巨大なイチモツだけではありません。
度を超した巨乳、
あれも脱皮を繰り返したものです。
とにかく
尋常でない大きさのものを見たら、
脱皮を疑わねばなりません。
大仏様も何度も脱皮したはずです。
どこかに大きな抜け殻があるでしょう。
エジプトのピラミッドも
脱皮しています。
私の友人は、
パリでピラミッドの抜け殻を見た
と言ってました」 |
北小岩 |
「まさに
世界の七不思議でございますね!」 |
そんなことはないだろう。
友人が見たものは、ルーブル美術館の前にある
ガラスのピラミッドに違いない。
だが、アメリカのポルノ男優の股間。
そのツチノコ級のものは、
脱皮を繰り返して巨大化した以外に、
説明はつきませんね。
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