KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の弐百六拾八・・・尻

バン!

「うぎゃわっ!」

一人の男が、自動改札機の扉で金玉を打ち、
沈み込んだ。

「不覚でございます!」

その男はといえば、弟子の北小岩くんであった。
無賃乗車をしようとしたわけではなく、
前の男にフェイントをかけられた形になったのだ。

「すっ、すみません」

誰に謝っているのかわからぬが、
とにかく改札を通り電車に乗り込んだ。

北小岩 「いつも20キロまでなら
 歩いておりますので、
 電車は久しぶりでございます。
 吊り革を握る手がぎこちないです」

阿呆先生はいないようだ。
最も、いない方がよいともいえる。

「キャーッ!」

突然、車内の空気を切り裂く声がした。

北小岩 「むむむっ。
 これは痴漢に違いございません。
 小林先生に頼るわけには参りません。
 わたくしが」

先生などいたところで、
屁の足しにもならないだろう。

北小岩 「そこのお方、
 やめていただけませんか!」

勇気を振り絞り痴漢に近づいた
その刹那・・・。

「ギョンワーッ!」

痴漢が断末魔の声を上げた。

北小岩 「凄いものを目撃してしまいました!」

スローモーションで見てみよう。
痴漢の手がOLのスカートに入った。
指をお尻の谷に差し込んだ。

北小岩 「それからお尻の割れ目が
 指を万力のように締め上げ、
 抜けなくなりました。
 そのままギリギリという音がし、
 骨がボキッと・・・」

痴漢は人差し指から小指まで、
4本を一気に折られたのだ。

 
北小岩 「御見それいたしました。
 あなたさまは、毎日お尻の割れ目を
 鍛えているのでございますね」
万力お尻
OL
「そうよ」
北小岩 「想像を絶する鍛錬を
 積んでいるのでございましょう。
 虎の穴みたいなところで
 修行してらっしゃるのですか」
万力お尻
OL
「虎の穴じゃなくて、
 尻の穴ね。
 女だけで毎日洞窟に集ってるのよ」
北小岩 「わたくしもその技を
 身につけたいのでございますが、
 どのようにすれば」
万力お尻
OL
「最初はお尻の穴の開け閉め。
 毎日1000回から増やしていって、
 10万回ぐらいできるようにするの。
 それから引っ張りっこね。
 お尻の穴を締めてロープを挟み、
 まずはカブト虫と引き合う。
 それからどんどん大きい動物と戦い、
 最後は象と互角の戦いが
 できるようにするのよ」
北小岩 「象とお尻で・・・。
 凄まじいことでございます」

万力お尻
OL
「それぐらいになると
 お尻の山も鋼のようになり、
 お尻の筋肉で、
 挟んだものを瞬間的にねじきれるの。
 野球のバットを挟んで
 打撃練習をするのも、
 楽しみながらのいい練習になるわ」

なんだかわけわかりませんが、
凄いことだけは確かですね。
断末魔の声を上げた痴漢は、
もう片方の指で尻リベンジをくわだてましたが、
再び瞬時に折られ
指を計8本骨折した状態でお縄になりました。
めでたしめでたし。

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2009-11- 22-SUN

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