KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の弐百七拾・・・風邪

ごしごしごしごし

日の出前。先生宅の庭。

ごしごしごしごし

乾布摩擦をしていることは確かなのだが。

ごしごしごしごし

褌姿の二人は、ひたすら股間を摩擦している。

小林 「抜かるんやないで。
 イチモツが風邪をひかんよう、
 魂を入れるんや」
北小岩 「はい!」
小林 「速度をあげい!」
北小岩 「せっ、先生!
 イチモツがとれそうです!!」
小林 「とれてもよい!」
北小岩 「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ〜」

弟子は誤って玉をねじってしまい、
その場にへたり込んだ。

北小岩 「いたたたた。
 ふうふうふぁ、
 ふぁくしょ〜〜〜〜〜〜〜〜ん。
 風邪をひいてしまいましたでございます」
小林 「限界やな。中に入ろか」

北小岩くんはお茶を飲み体を温めようと思い、
台所へ向かった。

北小岩 「急所を強くすることも大切ですが、
 やはり体全体から
 始めるべきでございました。
 ん?」

どこかから、くぐもったくしゃみの音がするのだ。

北小岩 「まっ、まさか」

そのまさかであった。
音は冷蔵庫から聞こえる。

北小岩 「大変でございます!
 冷蔵庫が風邪をひきました!!」
小林 「なんやと!」

扉をぐわっと開けると。

小林 「ほんとうや!
 冷蔵庫のヤツ、中でくしゃみしとる。
 むっ、
 ご近所さんからいただいたアワビ、
 赤貝、糸こんにゃく、
 フランクフルトにも
 うつってしまったようや!」

アワビは身をくねらせ、
赤貝はぱっくり開いたり閉じたりし、
糸こんにゃくはミミズ千匹が蠢くように、
またフランクフルトは勃起したかの如く張りつめ、
それぞれくしゃみしているのだ。

北小岩 「何となくいやらしいでございます」

小林 「まさか冷蔵庫が風邪をひくとは
 油断しとった。他は大丈夫か?」
北小岩 「厠を見てまいります」

便器の様子をのぞくと。

北小岩 「ほっ、大丈夫でございました。
 緊張がとけ、
 便意を催してしまいました」

褌をはずし、ふんばると。

ハックション!

突然便器がくしゃみをし、
飛沫がお尻の穴の奥に侵入した。

北小岩 「しまった!
 お尻の穴に風邪が
 うつってしまったかもしれません」

急いで褌を締めなおし。

北小岩 「便器がやられてました。
 わたくしのお尻の穴も」
小林 「それはまずいで。
 もしケツの穴がくしゃみをしたら・・・」

悪い予感ほど的中するものである。
弟子の肛門は何度もくしゃみをし、
その度に中から・・・。
それ以上は北小岩くんの名誉のため、詳述は控えよう。
 
みなさまこの季節、
意外なモノが風邪にかかることがあるので、
どうぞご注意くださいませ。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2009-12-06-SUN

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