ごしごしごしごし
日の出前。先生宅の庭。
ごしごしごしごし
乾布摩擦をしていることは確かなのだが。
ごしごしごしごし
褌姿の二人は、ひたすら股間を摩擦している。
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小林 |
「抜かるんやないで。
イチモツが風邪をひかんよう、
魂を入れるんや」 |
北小岩 |
「はい!」 |
小林 |
「速度をあげい!」 |
北小岩 |
「せっ、先生!
イチモツがとれそうです!!」 |
小林 |
「とれてもよい!」 |
北小岩 |
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ〜」 |
弟子は誤って玉をねじってしまい、
その場にへたり込んだ。
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北小岩 |
「いたたたた。
ふうふうふぁ、
ふぁくしょ〜〜〜〜〜〜〜〜ん。
風邪をひいてしまいましたでございます」 |
小林 |
「限界やな。中に入ろか」 |
北小岩くんはお茶を飲み体を温めようと思い、
台所へ向かった。
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北小岩 |
「急所を強くすることも大切ですが、
やはり体全体から
始めるべきでございました。
ん?」 |
どこかから、くぐもったくしゃみの音がするのだ。
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北小岩 |
「まっ、まさか」 |
そのまさかであった。
音は冷蔵庫から聞こえる。
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北小岩 |
「大変でございます!
冷蔵庫が風邪をひきました!!」 |
小林 |
「なんやと!」 |
扉をぐわっと開けると。
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小林 |
「ほんとうや!
冷蔵庫のヤツ、中でくしゃみしとる。
むっ、
ご近所さんからいただいたアワビ、
赤貝、糸こんにゃく、
フランクフルトにも
うつってしまったようや!」 |
アワビは身をくねらせ、
赤貝はぱっくり開いたり閉じたりし、
糸こんにゃくはミミズ千匹が蠢くように、
またフランクフルトは勃起したかの如く張りつめ、
それぞれくしゃみしているのだ。
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北小岩 |
「何となくいやらしいでございます」
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小林 |
「まさか冷蔵庫が風邪をひくとは
油断しとった。他は大丈夫か?」 |
北小岩 |
「厠を見てまいります」 |
便器の様子をのぞくと。
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北小岩 |
「ほっ、大丈夫でございました。
緊張がとけ、
便意を催してしまいました」 |
褌をはずし、ふんばると。
ハックション!
突然便器がくしゃみをし、
飛沫がお尻の穴の奥に侵入した。
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北小岩 |
「しまった!
お尻の穴に風邪が
うつってしまったかもしれません」 |
急いで褌を締めなおし。
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北小岩 |
「便器がやられてました。
わたくしのお尻の穴も」 |
小林 |
「それはまずいで。
もしケツの穴がくしゃみをしたら・・・」 |
悪い予感ほど的中するものである。
弟子の肛門は何度もくしゃみをし、
その度に中から・・・。
それ以上は北小岩くんの名誉のため、詳述は控えよう。
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みなさまこの季節、
意外なモノが風邪にかかることがあるので、
どうぞご注意くださいませ。
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