小林 |
「今年もあと数日やな」 |
北小岩 |
「そうでございますね」 |
小林 |
「今ぐらいの時期になると、
そろそろ『来年』をのぞくことが
できるようになるんや」 |
北小岩 |
「ほんとうでございますか?
どのようにすれば」 |
小林 |
「町の下半身と呼ばれている場所があるやろ」 |
北小岩 |
「恥丘の丘でございますね」 |
小林 |
「そこに生身のおなごが立っとる。
そいつのミニスカートをまくるんや」 |
北小岩 |
「ミニスカートをまくると、
『来年』がのぞけるのですか!」 |
小林 |
「そうや」 |
一陣の風が吹き、場面は変わる。
ここは恥丘の丘。
破廉恥なボディラインのおなごが佇んでいる。
|
小林 |
「ほほう。
ぱっつんぱっつんやんけ」 |
北小岩 |
「わたくし、
下半身から湯気が出てまいりました」
|
小林 |
「まずは露払い。
いけ」 |
北小岩 |
「はい」 |
純真な弟子がまくると。
|
北小岩 |
「凄いでございます。
ほとんどはいている意味がないほど
小さなパンティが
こんにちはしております」 |
小林 |
「よ〜く目を凝らしてみい。
その先に『来年』は見えんか?」 |
北小岩 |
「え〜と。
あっ、うっすらでございますが
見え始めました。
黒ずんでおります。
しかし、単に毛のような気もいたします」 |
小林 |
「お前の実力じゃあ、それが限度やろな。
かわってみい」 |
先生は一歩前進し、
放送コードに引っかかりそうな手つきで
ミニスカをまくり、顔を近づけた。
|
小林 |
「こんな間近で
ありがたいものを拝めるなんて、
何年ぶりや」 |
口から粘り気のある涎がたら〜。
地面に落ちた涎の中で、蟻がもがく。
|
小林 |
「んっ?何も見えん」 |
北小岩 |
「先生、
よ〜く目を凝らしてください!」 |
小林 |
「何やら黒ずんだものが」 |
北小岩 |
「わたくしが見たものと、
同じものでございましょうか」 |
小林 |
「いや。
黒ずんでいるというよりストライプや。
黄色と黒の・・・。
んっ? うっ、うぉ〜」 |
ガブッ!!!!!!
スカートの奥から虎の顔が飛び出し、
先生の金玉(こんぎょく)に歯をたてた。
|
小林 |
「板垣死すとも金玉は死せず〜」
|
あまりの激痛に、訳のわからないことを口走る。
袋から出てしまった玉は、
坂道を転がっていった。
それにしても、
一連の出来事は何かの寓話であろうか。
万が一皆様が『来年』をのぞく場合は、
くれぐれもお気をつけください。
|