KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の弐百七拾伍・・・踏切


「ふ〜っ!ふ〜っ!よい火ができました」

庭で七輪を吹く男。
言わずと知れた、いや、
別に知る必要もない弟子の北小岩くんであった。

北小岩 「網を載せまして、
 先生のお餅をひとつ、
 わたくしのお餅をひとつ。
 がんばってくださいませ」

真剣なまなざしで、火に声援をおくる。

北小岩 「むっ、奇妙な形に膨らんでまいりました。
 先生!」

阿呆などを呼んでも、
にぎりっ屁よりも役に立たないが、
律儀な弟子は報告を怠らない。

小林 「なんや?
 七輪で使用済みパンティでも
 燃やしとるんかい」

こやつの声に耳を傾けるほど、
無駄なことはないであろう。

北小岩 「そうではございません。
 お餅をごらんください」


ふたつとも、ちんちんの形に膨らんでいるのだ。

小林 「ほほう、立派なブツが俺のやな。
 それに引き換え、お前のは何や。
 超短小やないけ」
北小岩 「いえ、そうではございません。
 そちらが先生の」
小林 「なんやと!」

師の表情が般若にかわる。

北小岩 「わたくし、
 勘違いをしていたようでございます。
 もちろん、
 ご立派なブツが先生のでございますね」
小林 「うむ」

おもむろにつかむと、口に放り込んだ。

小林 「あちっ! うぐ〜〜〜〜〜」
北小岩 「先生!」

ボンボン!
弟子が力を込めて背中を叩く。

小林 「ごほっごほっ!
 う〜っ、死ぬかと思ったわ」

熱すぎる巨根が、喉につまったのだ。

小林 「新年から喉に遮断機がおりたようや。
 しゃあない、踏切に拝みに行くか」

2010年も相も変わらず
わけのわからない先生だが、
しばし付き合うこととしよう。
お二人様は、向こう上面の町にある踏切に。

カーンカーンカーンカーン!

小林 「ここは寝台特急が通るんや。
 ほら向こうから」
北小岩 「むっ!
 あれは寝台特急ではございません。
 連結した巨大なおちんちんです!
 それよりもあちらの線に、
 ご開帳した全裸美女軍団を乗せた貨車が
 通ります!」
小林 「なにっ!」

ご開帳貨車はおちんちんに重なって見えない。

北小岩 「それ以上近づくと危険です!」

スケベな場面で、弟子の言うことを聞く男ではない。

北小岩 「危ない!」

バーン!

小林 「うお〜〜〜!」

師は、巨大なおちんちんに轢かれてしまった。
しかし、悪運の強いことに、
おちんちんは外人のものだったので、
度外れて大きいとはいえやわらかかった。

 

先生はぎりぎりのところで命拾いをした。
とはいえ新年早々
おちんちんに轢かれる男が存在するなんて。
どうしたもんでしょ。

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2010-01-10-SUN

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