グググガガガゴゴゴー
「先生宅の10倍を優に超える豪邸が、
取り壊されていきます」
ドドドべべべボボボー
「パワーショベルでえぐられるのは、
寂しきものでございます」
家主から下着泥棒と間違えられ、
罵られたことのある北小岩くん。
心ぬくもる男は、屈辱にも頓着せず、
他家の最後に涙する。
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小林 |
「なんや、Gカップブラでも
恋しくなったんか」 |
デリカシーを遠き昔に置き忘れてしまった男が、
爛れたことを口走る。
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北小岩 |
「人の創りしものは、
なんと儚いも、うっ!」 |
師の指浣腸が弟子の菊門を的確にとらえた。
カッコよさげな台詞は最後まで言わせない。
モットーに忠実に行動した。
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小林 |
「更地に何ができるのか、
後日のお楽しみや」 |
間髪を容れず、後日がやってきた。
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小林 |
「なんや。
違法すれすれのストリップ小屋が建つと
予想したが、まるっきりはずれや」 |
北小岩 |
「アスファルトの平地に『駐』の文字。
駐車場なのでございましょうか」 |
小林 |
「それにしては、
各スペースがまちまちやな。
むっ、青虫が這っていくで」 |
北小岩 |
「極小のスペースに、
駐虫場と記されております」 |
小林 |
「目ん玉の愛くるしいリスがやってきたわ。
駐リス場もあるようやな」 |
北小岩 |
「向こう上面では、
ピストンが卑猥に上下しております。
駐ピストン場でございましょう。
にゃほほっ、
先生ご覧下さい!」
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小林 |
「うにゅにゅ、これは!」 |
師弟がウハウハしたのもむべなるかな。
駐裸場の文字をいやらしい視線が舐めた。
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小林 |
「もう俺はぼっきんぼっきんや」 |
奇跡と呼ぶのだろう。
匂いたつような全裸の超くびれクイーンが、
縦170センチ横100センチの地に、
仰向けの体勢をとった。
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北小岩 |
「駐輪場?
他に比べて
極めて普通のものがございますね」 |
小林 |
「それにしては小さすぎる、
5センチ四方では自転車は」 |
北小岩 |
「どひょ〜〜〜!
乳輪がやってまいりました!」
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誰のものかはわからない。
乳首付きの乳輪が、もぞもぞ動いてきたのだ。
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小林 |
「この駐チュー場と言うのは」 |
想像通り、なまめかしい唇が留まった。
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北小岩 |
「先生!
満というランプがつきました。
満車でしょうか?」 |
小林 |
「そんな単純なものやない。
きっとマンがたくさん」 |
北小岩 |
「びょは〜っ!」 |
何が登場したのかは、あえて記さない。
通常、駐という文字を目にすると、
駐車場もしくは駐輪場を想起するだろう。
しかし、駐といっても
意表をついたものが数多ある。
心しておきたい。 |