ザッザッザラ〜
ザッザッザララ〜
「ひと仕事でございます」
2時間箒で掃き続けているのは、
弟子の北小岩くんであった。
ヴゥォホホ〜ン
ヴゥォホホイィ〜ン
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北小岩 |
「隣のお宅から、
掃除機の勇壮な声が聴こえてまいります。
しかし、先生宅にはございません」 |
30年前に購入したという箒を、
意味もなく股に挟んでみる。
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北小岩 |
「箒には箒のよいところがあり、
また弱点もございます。
例えば」 |
畳にめり込んだ陰毛を掃き出そうとするが、
微動だにしない。
チンチン
「ごめんちん」
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北小岩 |
「どなたでございましょうか」 |
「私、掃除機のセールスをしております
吸乳満好(すいちちまんこう)と申します」
「掃除機はうちにはまだ早いな。
お引き取り願おうか」
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北小岩 |
「あっ、先生」 |
吸乳 |
「これはそんじょそこらのものでは
ございません。
奇跡を起こします。
女性の陰・・・。
でも無駄ですね。帰ります」 |
小林 |
「待たんかい。
じっくり聞こうやないか」 |
吸乳 |
「地球の表面に落ちている女性の陰毛は、
天文学的数字になります。
この吸入口に
特殊な分別器を差し込むだけで、
20代美形の女性の陰毛だけを
収集できるのです」
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小林 |
「お守りに入れられるな。
なかなか見所あるやないけ」 |
吸乳 |
「それだけではありません。
女性の心も
吸い寄せることができるのです」 |
突然ギャロップで門を飛び出すと、
通りかかったパッツンパッツンのいい女に、
ぱっくり開いた口を向け。
ブォホホ〜
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パッツン
パッツンの
いい女 |
「ああ、心が・・・。
もう、どうにでもしてください!」 |
小林 |
「凄いやないけ!
俺にも貸さんかい!!」 |
吸乳 |
「いけません。
熟練者でないと」 |
この男が素直に従うはずは無い。
数百メートル向こうからやって来るミニスカを
目ざとく見つけた。
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小林 |
「まだ距離があるとはいえ、
油断はキンたまや。
スイッチオン」 |
ブォホホ〜
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小林 |
「あかん。
手がすべった。
んっ?
うぉ〜〜〜!」 |
ぱっくり開いた口が、先生の急所をとらえた。
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小林 |
「チンチンの先から、
記憶が吸いだされていく〜〜〜!」 |
そう。
掃除機は先生のちんちんの数少ない、
気持ちよかった思い出を吸い取ってしまったのだ。 |
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夢の掃除機には棘がある。
そのことだけは、心しておきたい。 |